【岡崎真の目】非の打ちどころがなかった羽生 大きなミスさえしなければこのまま逃げ切る公算大

[ 2018年2月16日 17:05 ]

平昌五輪フィギュアスケート男子SP ( 2018年2月16日 )

演技を終えオーサーコーチ(右)のねぎらいを受ける羽生結弦(撮影・小海途 良幹)
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 羽生の演技は素晴らしかった。最初のうちは表情がいつもより怖い感じだったので心配したが、冒頭の4回転サルコーをきちんと降りた後はいつもの羽生に戻った。音楽にも完全に溶け込み、特にトリプルアクセルは圧巻だった。高さといい、流れといい、つながりといい、すべてが完ぺきで非の打ちどころがなかった。GOE(出来栄え評価)も満点。最後の連続ジャンプは4回転トーループと3回転トーループの間の部分でほんのわずかに詰まったような感じがあったためかGOEで満点はもらえなかったが、しっかり加点を稼いだ。

 演技が進むにつれて観客の歓声もどんどん大きくなり、その雰囲気を楽しみながら最後まで滑りきったのは見事としかいいようがない。必要な要素が13個に増えるフリーでは体力面だけが心配だが、今の羽生なら1つぐらいミスをしても他の選手がそれを上回るのは容易ではないだろう。

 宇野も団体戦の時より緊張している様子で、何度か氷に足を取られるような場面があった。それでも団体戦以上の得点を出したのは立派だし、十分に金メダルを狙える位置につけた。点数差を考えれば金メダルを狙えるのは4位の金博洋(中国)までだろう。五輪は何が起こるか分からないので油断は禁物だが、大きなミスさえしなければ羽生がこのまま逃げ切る公算が大きそうだ。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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