暁斗 前半飛躍で勝利への20秒リード生み出せ!独走態勢で戦意そげ

[ 2018年2月14日 09:00 ]

平昌冬季五輪 ノルディック複合個人ノーマルヒル ( 2018年2月14日 )

平昌五輪ノルディック複合公式練習で飛躍する渡部暁
Photo By 共同

 【今日のツボ教えます】スキーのノルディック複合は、14日にノーマルヒルが行われる。98年長野五輪代表の荻原次晴氏(48)は、今季W杯5勝を挙げ総合トップに立つ渡部暁斗(29)を金メダル候補に挙げる。勝利への鍵は、前半の飛躍でどれだけリードを広げられるか。見通しが良く、抜きどころの多い後半の距離で逃げ切るため、最低20秒のリードは必要との見解を示した。

 今季の渡部暁はW杯2戦目で優勝してから足踏み状態が続いたものの、先月下旬のオーストリアから4連勝。シーズンインは「メダル候補」だったが、「金メダル候補」という状態に仕上がっている。

 ポイントは前半のジャンプでどれだけリードを広げられるか。五輪前最終戦となった白馬でのW杯第14戦を振り返れば分かるように、距離で混走してスパート勝負になればそこで抜け出すシーンは想像しづらい。第10戦では前半の飛躍で27秒の差をつけていたシュミット(ノルウェー)の猛追に屈した。最低20秒、できれば30秒のリードがほしい。

 幸い、ジャンプ台は渡部暁の地元である白馬のジャンプ台に非常によく似た形状で、白馬で練習をやり込んでいる日本選手にとっては有利だ。ただ、元々平昌は風向きが目まぐるしく変わる土地柄。ジャンプ台には防風ネットが設置されているが、風の影響を完全に消せるわけではない。現在のルールではウインドファクターで加点と減点があるが、それでもいい風で距離を伸ばした方が得点を稼げる。どこまで風を味方にできるかも、大きな要素となりそうだ。

 一方のクロスカントリーコースは、五輪仕様らしく幅広で抜きどころが多く、見通しが利くレイアウトになっている。目標となる選手の背中を常に視界に捉えられることは、追い掛ける選手にとって心理的にも非常に好都合だ。そうした条件もあり、リードは大きいほどいい。

 リードを奪った場合も、早く独走状態をつくり2番手以降の選手の戦意をそぐことが大切だ。もし集団走になった場合は極力先頭に出ないこと。とはいえ3番手以降だと先頭の仕掛けに反応しきれない。このあたりの駆け引きは競技の見どころでもある。

 ライバルはW杯でも総合2位に付けるシュミットに、ジャンプが強いリーベル(ノルウェー)。白馬でのW杯には出場せず、地元でジャンプの調整を積んだドイツ勢の仕上がり具合も気になるところだ。(長野五輪代表)

続きを表示

この記事のフォト

2018年2月14日のニュース