陵侑 日本人最高の7位 失速の兄・潤志郎に「敵とってくる」

[ 2018年2月11日 05:30 ]

平昌五輪ジャンプ男子ノーマルヒル決勝 ( 2018年2月10日    ヒルサイズ=HS109メートル )

<平昌冬季五輪・スキー男子ジャンプ決勝>競技を終え、ガッツポーズする小林陵侑
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 初の五輪代表でチーム最年少の21歳、小林陵侑(土屋ホーム)が10日の個人ノーマルヒル(ヒルサイズ=HS109メートル)で2本とも108メートルを飛び、合計240・8点で7位入賞を果たした。冬季五輪史上最多8度目出場の葛西紀明(45=土屋ホーム)は21位だった。伊東大貴(32=雪印メグミルク)は20位、小林陵の兄・潤志郎(26=雪印メグミルク)は2回目に進めず31位に終わった。

 気温マイナス12度。極寒の戦いで21歳の小林陵が輝きを放った。めまぐるしく風が変わり、何度も中断を余儀なくされたが、最後まで集中力を切らさなかった。1回目108メートルをマークし、何度もガッツポーズ。2回目は長い中断もあって、スタート台付近での待ち時間が長く「足先が凍るかと思った」という寒さにも負けず、1回目と同じ108メートルで7位入賞を果たした。

 ジャンプで兄弟初の五輪出場を果たした兄・潤志郎が1回目にまさかの失速で2回目に進めなかった。「1回目が終わって、兄に敵をとってくると言って出てきた。いい風をもらえたし、落ち着いて自分のジャンプができた」と笑顔がはじけた。“師匠”の土屋ホーム、葛西兼任監督からは「安定したジャンプ。もう一個レベルを上げれば(19日の)団体戦でアンカーを任せたい」と、お墨付きをもらった。

 16年1月のW杯デビュー戦でも今回と同じ7位入賞だった。大きな期待を受けたが、昨季はW杯にほぼフル参戦しながら、30位以内に一度も入れず、屈辱の0ポイントに終わった。「いつも思い出す。あの屈辱は一生忘れません。あれ以下はない。人生で一番悔しかった」。師匠の葛西からは98年長野五輪での悔しかった話を聞き、自らのパワーに変えて五輪初出場で入賞の快挙につなげた。

 17日の個人ラージヒルに向け、「練習から自分のジャンプをしたい」と気合を入れ直した。

 ≪優勝はウェリンガー≫◆アンドレアス・ウェリンガー(ドイツ=スキー・ジャンプ男子ノーマルヒル)前回のソチ五輪は団体金メダルを獲得し、ノーマルヒルで6位入賞。昨年の世界選手権で個人2種目とも2位に入った。1メートル81、65キロ。22歳。

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