スマイルJ 五輪1勝へ希望の1点差惜敗、12日スイス戦必勝だ

[ 2018年2月11日 05:30 ]

平昌冬季五輪 女子アイスホッケー1次リーグ   日本1―2スウェーデン ( 2018年2月10日 )

平昌五輪女子アイスホッケー<日本・スウェーデン>第2ピリオド、ゴール前でディフェンスする堀(中央)
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 世界ランク9位の女子日本代表「スマイルジャパン」は、1次リーグB組の初戦で同5位のスウェーデンに1―2で敗れた。先制を許した後、FW浮田留衣(21=ダイシン)のゴールで追いついたものの、第3ピリオドに決勝点を奪われた。五輪は98年長野、14年ソチともに5戦全敗。11試合目で初勝利を目指したが、またも届かなかった。12日はスイス、14日は韓国と北朝鮮の合同チーム(コリア)と対戦する。

 氷上にスマイルは咲かなかった。1点を追う第3ピリオド、スウェーデンが反則し、残り47・8秒から日本が1人多いパワープレー。GK藤本那を下げて6人攻撃で得点を狙ったが、無情のブザーが鳴り響いた。長野、ソチと計10戦全敗。11試合目でも、負の歴史に終止符を打つことはできなかった。この日、26歳の誕生日を迎えたFW大沢主将は、「自分たちの力を出してもスコアにつながらなかった」と険しい表情を浮かべた。

 開始早々の失点が響いた。第1ピリオド2分すぎ、スウェーデンFWラスクのシュートが藤本那の顔の右側をすり抜け、ゴールに突き刺さった。元AKB48の小嶋陽菜似で“氷上のこじはる”と呼ばれる守護神が、「最初バタバタしていると感じた。セーブで流れを持ってこられなかった」と振り返れば、「やっぱり先制点が…」と山中監督。第2ピリオドに浮田のゴールで追いついたが、第3ピリオドも開始2分足らずで決勝点を奪われた。

 98年長野五輪。男子日本代表のDFで夢の舞台に立った指揮官は、舞い上がってしまった苦い経験がある。初戦、いきなり反則を犯して2分間の退場。「チームに迷惑をかけてしまった」。4日の韓国入り直後、浮足立つチームを見て「旅行じゃないし、思い出づくりでもない!」と強い言葉で引き締めたのは、自分のようになってほしくなかったから。23人中ソチの経験者が15人。大沢主将は「雰囲気にのまれたとかじゃない」と話し、「(最初は)シンプルなプレーができなかった」と振り返った。

 黒星スタートとなったものの、まだチャンスは残されている。12日には世界6位のスイス、14日にはコリアと対戦。連勝すれば、決勝トーナメントへの道は開ける。「勝っても負けても、大事なのは切り替えること。次はスイスにフォーカスして目の前の試合に勝つだけ」と山中監督。平昌での目標は五輪初勝利だけでなく、表彰台。スマイルジャパンが、諦めずに夢を追う。

 ▽14年ソチ五輪の1次リーグ初戦 今大会と同じスウェーデンと対戦。当時の世界ランクは日本が10位、スウェーデンが6位だった。第1ピリオドに先制されるとゴールが遠く、最後はGKを下げて6人攻撃を仕掛けたが無得点。0―1で敗れた。

 ▽日本の女子アイスホッケー 1973年に伊勢丹が日本初の女子チームを発足。翌年には国土計画女子クラブも結成された。全日本選手権は82年が第1回。世界選手権は90年に初出場。近年は1部への昇格と降格を繰り返している。12年には日本リーグも始まった。17年冬季アジア大会で初優勝。国際連盟によると競技人口は2600人弱。

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