条治、一発勝負へ「集中」 4大会連続出場のベテラン爆発予告

[ 2018年2月9日 05:30 ]

平昌冬季五輪   スピードスケート・男子500m ( 2018年2月19日 )

円を描くように滑る加藤条治
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 悲願の金メダルを狙うスピードスケート男子500メートル代表の加藤条治(33=博慈会)が8日、本番会場の江陵オーバルで調整し、大一番での爆発を宣言した。2本の合計タイムで争った14年ソチ五輪からはルールが変わり、今回は一発勝負。6日に誕生日を迎えたベテランは集中力を高め、19日の決戦で全てを出し切る覚悟だ。

 金メダルに挑み続ける男。それが加藤条治だ。33歳で迎えた4度目の夢舞台でも、気持ちがぶれることはない。「去年も(世界距離別選手権500メートル8位で)来たリンク。だんだん集中力が高まってきた。五輪選考会にも(ピークは)合ったし、この五輪にも合わせます」。言葉には自信がみなぎっていた。

 ソチ五輪後にルールが変わり、男女とも500メートルは一発勝負になった。「一発の爆発で逃げ切ることができる。体力的にも2本滑るより、1本の方が優位」と歓迎する。ぎりぎりまで国内で追い込んだため、韓国入りして5日経過したこの日も「少しずつレースに向けて体力回復している段階」と疲労は残る。33歳の体に、一度で全てを出し切る戦いは“チャンス”でもある。

 開会式前日のこの日は、ジャンプ男子ノーマルヒル予選に葛西紀明(45=土屋ホーム)が登場するなど、競技の熱気が満たされてきた。「五輪は他の仲間たちの結果を見るのも楽しみ。それによってモチベーションが上がってくる」。日本選手団の姿を目に焼きつけて、自身がスタートに立つまでの残り期間を充実させていく。

 ソチ五輪後は膝痛に苦しみ成績も低迷。最近はW杯の表彰台も遠のき、国内外で目立った結果は残していなかった。だが、昨年末の五輪代表選考会に照準を合わせ、平昌切符をつかんだ。金メダル候補として挑んだ過去3度とは違い今回は挑戦者。「自分の体をいかに調整するかに集中している。他は見ていない」。4年に一度の決戦へ向けて再び上昇気流に乗ったベテランは、集中力を研ぎ澄ませている。

 ◆加藤の過去3大会の500メートル

 ☆06年トリノ大会 シーズン序盤に高地トラックの米ソルトレークシティーで世界記録を打ち立ててW杯初優勝。メダル候補として初五輪に臨んだものの、1回目の直前に整氷作業が入る不運にリズムを崩し。力を発揮できず。2回目で好タイムを出したものの6位に終わった。

 ☆10年バンクーバー大会 1回目に34秒93の好タイムで3位に付けると、2回目はタイムを落としたものの合計1分10秒01で銅メダルを獲得。しかし同僚の長島圭一郎が銀メダルに輝き、2回目のゴール直後は両手で頭を抱えた。

 ☆14年ソチ五輪 1回目は5位と出遅れ、2回目はタイムを上げたものの巻き返せずに5位。オランダ勢に表彰台を独占され「3人が今までと違う滑りをしてきた」と完敗を認めるしかなかった。

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