葛西　飛ばずに平昌へ、最終調整４日間は「体よりも頭を優先」

会見で手を合わせてポーズをとる（左から）小林陵、小林潤、葛西、伊東、竹内
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　メダル獲得の鍵は、飛ばない最終調整にあり？ノルディックスキー・ジャンプ男子の葛西紀明（４５＝土屋ホーム）ら平昌五輪代表５選手が１日、札幌市の大倉山ジャンプ競技場で行われた会見に出席。日本人最多となる８度目の五輪代表となった葛西はこの日から４日まで行われる五輪直前合宿でジャンプ練習をしないことを宣言。ベテランの調整メソッドで、メダル獲得を誓った。

　仰天の最終調整法にはレジェンドの秘策がつまっている。平昌五輪のノーマルヒル予選は１週間後の８日に迫っているが、会見した葛西は「たぶん飛ばないと思う。体よりも頭を優先したい」と４日間の最終合宿はジャンプをしないことを宣言。今季Ｗ杯では５位が最高という状況にも「（平昌は）強風が吹く。何が起こるか分からない。風が当たれば…。諦めない。メダルのチャンスはある」と不敵に笑った。

　裏側にあるのは、誰も知らない、過去７度の五輪出場の経験だ。９２年アルベールビルから１０年バンクーバーまでの６大会は「メダルを獲りたいと焦っていた。心に余裕もなかった。五輪で疲れた感じでダメだった」。だが４０歳をすぎて心に余裕ができ、１４年ソチは個人、団体と２個のメダル獲得につながった。

　もちろん「これまでの７大会同様、金メダルを獲りたい」と、貪欲さは失っていない。だが、今回は結婚後初めての大舞台で、愛娘も観戦に訪れる予定だ。「（家族には）メダルを獲るところや精いっぱいに頑張っている姿を見せたい」と、ただでさえハートに火が付く状況。だからこそ、冷静さを失わないような調整方法を、自身の引き出しから引っ張り出したのだ。

　９日の開会式は日本選手団の旗手として先頭を行進する。「ソチが終わった時から次は旗手だなと思った。開会式で旗手が一番目立つ。僕にピッタリの大役です」と胸を躍らせた。過去の冬季五輪で主将と旗手の両方を経験した選手はスピードスケートの橋本聖子、岡崎朋美の２人だけで男子では初。その歴史的大会には黄金のメダルが似合うことは、４５歳が一番よく知っている。