【平昌で輝け】鬼塚雅 ゴルフで世界目指す妹へ見せる姉の背中

[ 2018年1月26日 11:30 ]

初の五輪で飛躍を期す鬼塚
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 2人の夢はゲレンデとフェアウエーに広がっている。スノーボード女子のスロープスタイルとビッグエア代表の鬼塚雅(19=星野リゾート)には一緒に世界を目指す妹がいる。ただしその競技はゴルフ。2歳年下の妹・貴理(17=熊本国府高2年)である。

 冬スポーツとは縁遠い熊本に生まれながら、姉妹は福岡にあった室内施設でスノーボードにのめりこんだ。そのまま一直線に世界の頂点まで上りつめた姉に対し、妹はテレビゲーム「みんなのGOLF」で興味をもったゴルフに転向。現在は原江里菜のコーチでもある森守洋氏の指導を仰ぎ、昨年の日本女子オープンで地区予選を突破するなどトップアマとして腕を磨いている。

 母・美代子さんいわく性格は正反対。「雅は天真爛漫(らんまん)で喜怒哀楽の感情が表に出る。貴理は内に秘めるタイプ。貴理は姉を見て世界に行きたいと言っている」。可愛い妹で、競技者として意識はしないという鬼塚だが、そのまっすぐに頂点を目指す姿勢が妹を引っ張っている。

 スロープスタイルが初採用されたソチ五輪時にはまだ15歳だった。年齢制限によって五輪出場権獲得のためのW杯のチャンスは1試合だけ。しかも直前練習で左手首を骨折して46位に終わり、夢舞台への道はついえた。ソチの1カ月後には、五輪代表も数多く顔をそろえたUSオープンで4位となっただけに、余計に悔しさが募った。その経験を糧にして15年の世界選手権ではスロープスタイルを史上最年少の若さ(16歳3カ月)で優勝。今回もスロープスタイル、ビッグエアどちらも金メダルを狙っている。平昌には妹も観戦に訪れる予定。世界最高峰で戦う姉の背中を見せるのにこれ以上の舞台はない。

 ◆鬼塚 雅(おにつか・みやび)1998年(平10)10月12日生まれの19歳。熊本市出身。5歳の時にスノーボードを始め、8歳でスノーボード用品最大手の「バートン」と契約。世界選手権では15年スロープスタイル優勝。昨年はスロープスタイル3位、ビッグエア14位。W杯では両種目とも2位が最高。熊本・ルーテル学院高出、早大在学、星野リゾート。1メートル58、47キロ。

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