NFC決勝はイーグルスがバイキングスに快勝 14年ぶり3回目のスーパーボウル進出

[ 2018年1月22日 11:48 ]

ドリンクシャワーを浴びるイーグルスのピダーソン監督(AP)
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 NFLのプレーオフ、NFC決勝が21日にフィラデルフィア(ペンシルベニア州)で行われ、第1シードで地元のイーグルス(東地区1位)が第2シードのバイキングス(北地区1位)に38―7(前半24―7)で圧勝して優勝。14年ぶり3回目のスーパーボウルで、AFCを制したペイトリオッツと激突することになった。

 イーグルスは第1Qの4分46秒に先制されたが、その3分32秒後にCBパトリック・ロビンソン(30歳)がインターセプトから50ヤードをリターンして同点。第2Qの2分23秒には、昨季まで2シーズン、ペイトリオッツに在籍していたRBルギャレット・ブラント(30歳)が11ヤードのTDランを奪って勝ち越した。さらに13分51秒、WRのオルション・ジェフリー(27歳)に53ヤードのTDパスが通り、序盤では3つの異なる形でTDを重ねた。

 後半に入っても優勢。第3Qの4分55秒、第15週(12月17日)から先発を務めているQBニック・フォールズ(29歳)が「フリー・フリッカー」からWRトリー・スミス(28歳)に41ヤードのTDパスを通してバイキングスを引き離した。守備陣も奮闘。NFC準決勝(13日=対ファルコンズ)同様に後半は無失点で切り抜け、最後まで主導権を握り続けた。

 20日に誕生日を迎えたばかりのフォールズは「言葉では表現できない。信じられない。素晴らしいチームメートだ」と感無量の面持ち。一度は引退も考えた控えQBは今季、予想もしなかった形でチームを大舞台へと導いた。

 イーグルスは今季13勝3敗。一昨年のドラフトで全体2番目に指名されたQBカーソン・ウェンツ(25歳)の活躍で開幕から快進撃を見せた。

 しかしそのウェンツが第14週(12月10日)のラムズ戦で左膝の前十字じん帯を断裂。第15週(12月17日)のジャイアンツ戦からは、それまで控えだったフォールズで終盤の日程を乗り切っていた。

 それでも準決勝では昨季のNFC王者ファルコンズに15―10で競り勝って決勝に進出。バイキングスの総合守備はリーグ1位とあって戦前の予想では「イーグルス不利」とされていたが、フォールズは33回中26回のパスを通して352ヤードと3TDを獲得し、その予想を見事に覆した。

 脚力があるウェンツと違ってフォールズは典型的なポケットパサー。先発となったシーズン終盤の試合では相手守備陣に圧力をかけられると随所で混乱していたが、NFC決勝ではクイックリリースやプレーアクションなど、小技を絡めながらオフェンスをうまくまとめた。

 イーグルスはスーパーボウルに過去2回出場しているが、1980年はスティーラーズに19―31で敗れ、2004年はペイトリオッツに29―32で惜敗。14年ぶりの出場となる今回は、宿敵ペイトリオッツとの“再戦”で悲願の初優勝を狙うことになった。

 42年ぶり5回目のスーパーボウル進出を狙っていたバイキングスは、セインツとのNFC準決勝(14日)でプレーオフ初となる“逆転サヨナラTD”で奇跡的な勝利を収めていたが、この日は雑なプレーが目立ち完敗。今季のスーパーボウルはバイキングスの地元ミネアポリス(ミネソタ州)の「USバンク・スタジアム」で2月4日に開催されるが、史上初となる“ホームチーム”の進出はならなかった。

 2季前までの正QBテディー・ブリッジウォーター(25歳)と今季の正QBサム・ブラッドフォードを故障で失いながら、昨季までラムズに在籍していたドラフト外入団のQBケース・キーナム(29歳)を立てて、レギュラーシーズンはイーグルスと同じ13勝3敗。しかしそのキーナムはこの日、パスで271ヤード(1TD)を獲得しながら、ファンブル1回とインターセプトを2回犯し、チームを勝利には導けなかった。総合、パス、失点の守備部門でリーグ1位だった守備陣も精彩を欠いて敗退。今季のチーム最多失点を許して姿を消した。 

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