美誠は最年少3冠 美宇に2年前のリベンジ 17歳頂上決戦圧勝

[ 2018年1月22日 05:30 ]

卓球全日本選手権最終日   女子シングルス決勝 伊藤4―1平野 ( 2018年1月21日    東京体育館 )

卓球全日本選手権女子シングルス決勝、平野(左)を終始圧倒し初優勝した伊藤
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 女子シングルスで伊藤美誠(17=スターツ)が同学年の平野美宇(17=エリートアカデミー)を4―1で下して初優勝を飾り、15年の石川佳純(24=全農)以来となる女子史上3人目の3冠を達成した。17歳3カ月での3冠は07年に17歳7カ月で達成した水谷隼(木下グループ)を抜き、男女通じて史上最年少の偉業となった。

 女子卓球界の中心には、やはり“みうみま”が似合う。全日本では09年に初対戦するなど、同級生として幼い頃から切磋琢磨(せっさたくま)した盟友同士の夢の決戦を6500人がかたずをのんで見守った。屈辱のストレート負けから2年。史上最年少で3冠を達成してライバル対戦に花を添えた伊藤は「全日本の借りはここでしか返せない」と満面の笑みで応えた。

 序盤からエンジン全開で立ち向かった。「出足から攻めていくのを心掛けた」。第1ゲームを先取すると、第3ゲームは圧巻の10連続ポイントで平野を沈黙させた。コンパクトなフォームから繰り出すカウンター“みまパンチ”も随所で見せ、翻弄(ほんろう)。4ゲーム目を落とし、ストレート勝ちでのリベンジとはならなかったが「いつもなら良くない展開になるが、切り替えられたのは成長」と胸を張った。

 偉業達成までには苦悩もあった。5回戦で姿を消した昨年の全日本後「負けてから試合をするのが怖いくらいだった。どのツアーでも1回戦負け」というほど調子を落とした。不振を払しょくすべく、昨年に中国製ラバーにするという大胆な変化も取り入れた。松崎太佑コーチは「中国製ラバーは基本がしっかりしていないといいボールを打てないので、基本練習を多くした。日本製に戻したときに基本技術が上がって、感覚が戻っていた」と効果を実感。土台をつくり直したことが、悩める伊藤の突破口につながった。

 女子史上3人目の快挙を成し遂げた伊藤が目指す次の頂は4月の世界選手権団体戦だ。「自分たちが結果を残してきた中で、海外選手にどのくらい通用するのか。中国選手には勝たなくてはいけない。(団体戦で)勝って五輪につなげたい」と日本を背負う覚悟を見せた。

 ▼伊藤の母美乃りさん 安心して見ていられた。美宇ちゃんが上がってきても、美誠はやってくれると思って見ていた。自分の子供ですけど、凄く頼もしかった。まだ実感がなくて、ホントに全日本で優勝したんだよなあという気持ちです。

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