水谷 脱帽、最多10度目Vならず「世界2位の選手より脅威」

[ 2018年1月22日 05:30 ]

卓球全日本選手権最終日   男子シングルス決勝 水谷2―4張本 ( 2018年1月21日    東京体育館 )

卓球全日本選手権男子シングルス決勝 10度目の制覇を逃した水谷
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 最多10度目優勝に立ちはだかったのは、自身のちょうど半分の年齢の中学生だった。完敗した水谷隼(28=木下グループ)は、中学生王者に「たくさんの中国選手と試合したが、彼なら同じレベル。今日のプレーがいつも通りの100%の力なら、何回やっても僕は勝てないと思う」と潔く負けを認めた。

 序盤から主導権を握られた。第4ゲームは立ち上がりに5連続失点。次々と繰り出される強烈なバックハンドに「世界でもトップレベル。世界ランク2位の樊振東選手より脅威だった」と頭を抱えた。張本とは昨年6月に世界選手権で初対戦し、1―4で完敗。雪辱を期したが、14歳の成長は著しく「世界選手権とは比べものにならない。数倍強い。同大会ではチャンスを感じたが、今日は自分の中で得点パターンを見いだせなかった」と脱帽した。「張本が来る前にたくさん優勝しておいてよかった」と冗談めかしつつ「今まで全日本で何回も決勝を戦ってきたが、今日が一番しんどかった」と大きく息を吐いた。

 だが、このまま終わるつもりはない。「今日が自分にとってのスタートだと。これをバネに、東京オリンピックへ頑張っていきたい」。前人未到の全日本9度制覇、リオ五輪ではシングルス銅、団体銀メダル。数々の快挙で卓球界をけん引してきた28歳の闘志に火が付いた。

 ▼張本―水谷VTR 昨年の世界選手権2回戦で初対戦。当時13歳の張本は「勝つ確率は5%」、「勝つ気100%」で臨み、3ゲーム連取。第4ゲームは水谷に奪われたものの、第5ゲームを取って4―1で勝利した。

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