御嶽海、止まらん7連勝!混迷角界に救世主 難敵・嘉風も撃破

[ 2018年1月21日 05:30 ]

大相撲初場所7日目   ○御嶽海―嘉風● ( 2018年1月20日    両国国技館 )

嘉風(左)を攻める御嶽海
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 関脇・御嶽海の勢いが止まらない。2横綱1大関を破った平幕・嘉風に付け入る隙を与えず、先手先手と攻めた末、引き落として無敗を守った。関脇の初日からの7連勝は、昨年春場所で10連勝した高安以来。昨年春場所から6場所連続で三役をキープしている25歳は稽古に取り組む意識も変わり、力強さが増している。平幕・朝乃山が敗れたため、勝ちっ放しは平幕・栃ノ心との全勝対決を制した横綱・鶴竜と2人になった。

 今場所の主役候補は誰か。国技館から引き揚げる際に御嶽海に送られた声援が、それを示していた。「優勝だ!」「次の相撲界を背負って!」。幕内では自己記録を更新する初日からの7連勝。熱狂するファンとは対照的に、支度部屋の御嶽海は落ち着き払っていた。

 「声援は力になりますね。まだ7番ですから。ここから。一日一番、自分の相撲を取っていきたい」

 好調を象徴する内容だった。立ち合いから一気に踏み込む。右肩で当たると、突っ張りで前進。土俵際にジリジリと追い込み、最後は意表をつく引き落としがさく裂した。今場所2金星を挙げた嘉風が、両膝からバッタリ崩れ落ちた。それでも御嶽海は「流れが良かった。いつも通り」と涼しい顔。八角理事長(元横綱・北勝海)は「落ち着いている。(嘉風が)御嶽海に見られていた」と評価した。

 年間54勝を挙げた昨年は幕内でただ1人、全6場所で勝ち越し。順風満帆だった年の瀬に、さらなる奮起を求められた。昨年12月下旬に開催された出羽海部屋の忘年会。出羽海親方(元幕内・小城ノ花)から受けた言葉はねぎらいではなく激励だった。「部屋頭として若い衆を引っ張っていけ」。師匠の期待を感じ取り、名門を背負う意識が芽生えた。年が明け、稽古場では自然と力が入った。「内容が変わってきた」と同親方。場所前はマイペース調整を貫いていたが、5日の稽古総見では珍しく12番も取った。師匠のひと言をきっかけに、25歳は明らかに変わった。

 関脇の初日から7連勝は、10連勝した17年春場所の高安以来。力強い進撃を続ける角界のホープは「一生懸命やる。期待に応えられるように」と運命を受け入れた。波乱続きの新春の土俵に、希望の光が差し込んできた。

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2018年1月21日のニュース