沙羅、蔵王で女王へ 荒天でW杯予選順延“風は吹いている”

[ 2018年1月19日 05:30 ]

雪が降る中で、公式練習を行う高梨
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 ノルディックスキー・ジャンプ女子W杯の個人第7戦は、19日に山形市のクラレ蔵王シャンツェ(ヒルサイズ=HS102メートル)で行われる。18日は予選が行われる予定だったが、風と雪のために19日に順延となった。ジャンプW杯歴代単独最多の54勝目が懸かる高梨沙羅(21=クラレ)は、自己ワーストのW杯7戦連続優勝なし。今季2勝と好調のカタリナ・アルトハウス(21=ドイツ)不在のチャンスを生かして新記録達成を狙う。

 鬼の居ぬ間に洗濯ならぬ、アルトハウスの居ぬ間に54勝目だ。先週の札幌大会では自身の状態を「70%」と語っていた高梨は、前日の練習などを踏まえて「自分の中では75%まできた」と笑顔で語り、若干の上積みに自信を見せた。

 14日の札幌大会ではマーレン・ルンビ(ノルウェー)に次いで今季自己最高の2位。開幕からトップ2を独占し続けてきたルンビとアルトハウスの牙城にようやく風穴をあけた。アルトハウスは調整のためにドイツに帰国し、蔵王大会には出場しない。現在3連勝中で総合トップのルンビの壁も分厚いがルンビは蔵王でまだ優勝したことがない。

 2強の一角不在に加え、勝負に影響を与えそうなのは“蔵王名物”とも言える荒れる気象条件だ。蔵王シリーズは14年は2戦とも1本で打ち切り。15年は1試合が中止に、昨年も吹雪の中での戦いとなった。この日の公式練習も風で何度も中断し、高梨は「ゲートを出る段階から失敗した」と86メートルで6位、ルンビも「助走路でのポジションが良くなかった」と83・5メートルで9位。公式練習2回目は悪天候で途中で打ち切られ、その後に予定されていた予選も順延となった。勝利の女神を振り向かせるには運も味方につける必要がありそうだ。

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