薬物混入の鈴木を「信じていた」 カヌー小松正治「しっかり反省してほしい」

[ 2018年1月10日 11:09 ]

 飲み物に禁止薬物を混入され、ドーピング検査で陽性となったカヌーの小松正治(25=愛媛県協会)が10日、石川県小松市内で取材に応じ「まさか日本でこういうことがあるとは思わなかった」など、現在の複雑な心境を語った。

 昨年9月のカヌー、スプリント日本選手権で、鈴木康大(32=福島県協会)から飲み物に禁止薬物を混入され、ドーピング検査で陽性に。現在は、アンチ・ドーピング機構(JADA)に科された暫定的な資格停止処分を解除され、日本代表チームの合宿に参加するため、石川県内に滞在している。

 鈴木に対し「しっかり反省してほしいのが一番」と口を開いた小松。同選手については「自分がカヌーを始めた時からトップ選手で、あこがれの存在。自分がナショナルチームに入ってからは仲良くさせてもらって、いい先輩だった」と語り、それだけに今回の不祥事を「本当にショックです」と表情をゆがめた。

 薬物混入という衝撃の事実が発覚。「まさか日本でこんなことが起きるとは思っていなかった」とし、さらに自身に降り掛かったことから「想像もしていなかったので、最初に通知を受けた時はびっくりしました」。その通知で「資格停止4年」の処分を受け「東京五輪も無理だと思ってショックだった」と話した。

 薬物が陽性反応だったことについては、日本選手権のときにパドルが盗まれたこともあり「そういうのも関係があるのかな。(薬物を)入れられたのかなとピンときた」という。ただ、無実を実証できず「このままで4年間出場停止になるという焦りとショックがすごく大きかった」と振り返った。

 鈴木を疑ったことはあったのか。これには「鈴木選手に限らず、周りの方たちをちょっと疑ってしまうというのはありました。(もしかしたら)鈴木選手っていう部分も多少ありましたが、信じていたので」と複雑な思いを吐露した。

 2人はまだ直接顔を合わせていないという。小松は、鈴木の蛮行を「やったことは重大なこと」としながらも、自白により無実が証明されたことを受け「そこに関して感謝しています。(自白がなければ)4年間停止処分のまま。そこがゼロになったのでそこは感謝しています」とも語った。

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2018年1月10日のニュース