【金哲彦の目】青学大 エース格の一つ下でもはるかに厚い選手層

[ 2018年1月4日 07:45 ]

第94回箱根駅伝復路 ( 2018年1月3日    箱根・芦ノ湖~東京・大手町、復路5区間109・6キロ )

ガッツポーズでゴールする青学大の10区・橋間
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 青学大に山の神はいなくなったが「山下りの神」がいた。3年連続で6区を走った小野田が期待通りの走りであっさり東洋大を抜き去り、7区の林も区間新の快走。東洋大にとって6区で逆転されることは想定内だったはずだが、7区終了時に3分28秒もの大差をつけられるとは思ってもいなかったに違いない。林が想定外の快走を見せ、事実上勝負は決まった。

 あとは8区のエース下田がさらに差を広げ、9、10区はアクシデントさえ起こさなければいいという安全運転でゆうゆう逃げ切った。

 2位の東洋大や3強と言われた東海大、神奈川大にもいい選手はいる。ただ、層の厚さという点では青学大の方がはるかに上だった。特にエース格の一つ下のレベルの選手の競争が激しい。今回も10区でエントリーしていた主将の吉永に代わって橋間がアンカーに起用されるなど、いくら持ちタイムが良くてもその時にベストの状態でなければ走らせてもらえない。チーム内での厳しい競争が層の厚さをもたらしている。

 過去に4連覇以上した大学はいわゆる伝統校ばかりで、指導者はOBであることが前提だった。ところが青学大のOBではない原監督は、今の選手の気質に合わせた独特の指導法で見事にその常識を覆した。来年以降も青学大が優勝争いの一角を形成するのは間違いないだろう。(駅伝マラソン解説者)

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2018年1月4日のニュース