【黒岩敏幸の目】混戦の男子短距離、条治 一発に懸ければメダルも

[ 2017年12月28日 08:10 ]

スピードスケート平昌五輪代表選考競技会第1日 ( 2017年12月27日    長野市・エムウエーブ )

平昌五輪出場を手繰り寄せた加藤条治
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 加藤は練習の時から動きが良く、目つきも普段とは違っていた。このレースに合わせてきたことはすぐに分かった。好きなアウトスタートだったとはいえ、100メートルは9秒49。氷の上を跳ねるような全盛期の滑りはさすがに見られなくなったが、逆に氷をしっかり捉えたベテランらしい滑りを見せてくれた。本人にしてみれば、直すべきところはたくさんあるだろう。それでも表彰台に上がるという目標だけはきっちりクリアした。改めて経験豊富な32歳の底力を感じさせられた。

 平昌までまだ時間があるので、まずは膝の状態を少しでも回復させること。そして今回のように1レースに懸けて、ここ一番で繰り出す力をさらに高めていけば、メダルのチャンスは十分にあると思う。今の男子短距離界は混戦状態で、W杯も毎回表彰台に上がる選手が代わっている。長谷川と山中も同じようにメダルに近い位置にいるので、メダルを狙ってほしい。(92年アルベールビル五輪男子500メートル銀メダリスト)

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2017年12月28日のニュース