国学院栃木ド迫力“快幕”120キロ1年生プロップ藤倉で逆転勝ち

[ 2017年12月28日 05:30 ]

第97回全国高校ラグビー   国学院栃木24―15高鍋 ( 2017年12月27日    東大阪市・花園ラグビー場 )

後半、相手の突破を上から押しつぶすように止める国学院栃木・藤倉(左)
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 開会式と1回戦8試合が行われ、18年連続23回目の出場の国学院栃木(栃木)は24―15で高鍋(宮崎)に逆転勝ちし、30日の2回戦に進出した。県予選2試合はリザーブだった1年生プロップ藤倉大介が3番に抜てきされ、体重120キロの巨体を生かしたプレーで勝利に貢献。2回戦ではBシードの国学院久我山(東京第2)と、花園で初の兄弟校対決が実現する。

 今大会の登録選手中、2番目に重い120キロの大きな壁が、相手選手をのみ込んだ。7点を追う後半10分、ゴール前ラックから左に持ち出しモールを形成。相手に背を向けた藤倉を先頭にぐんぐん前進すると、相手はコラプシングするしかなかった。主審の長い笛の音が響き、同点の認定トライ。「あそこは自分が先発で出られている意味でもある。仕事をできる唯一の場所。勝利に貢献できたと思う」と相好を崩した。

 県予選2試合はいずれも後半途中出場。技術や経験値で上回る松尾(3年)を控えに回して藤倉を先発起用した理由を、吉岡肇監督は「一度も(モールで)倒れたのを見たことがない」と説明した。強風予報で「ボールを動かすラグビーもできるが、FW平均10キロ(重い利点)を生かさない手はない」とこの日の戦術に合わせて大舞台でいきなり先発に抜てき。期待に応えた藤倉も「大舞台に強いと思っている。1年だし思い切りプレーするだけだった」と話した。

 中学まではラグビーと並行して神奈川の名門・朝飛道場で柔道にも取り組んだ。全国大会も経験したことで強心臓をつくり上げ、足腰の強さはモールでも発揮された。「多い時は(白米を)2キロ食べる」という巨体があだにもなり、スタミナ切れで後半13分に交代したが、吉岡監督は「逸材だと思う。うちの歴史でも1年生の3番はいない」と期待を寄せた。

 次戦は全国優勝5回を誇る久我山と花園初対戦。高校ラグビー界の格ではあっちが横綱だが、コクトチには未来の横綱級プロップがいる。

 ◆藤倉 大介(ふじくら・だいすけ)2001年(平13)5月20日生まれ、神奈川県出身の16歳。国学院栃木高、帝京大で左プロップとして活躍した父・謙次さんの影響で横浜ラグビースクールで競技を始め、神奈川・六角橋中を経て今年4月に国学院栃木高に入学した。1メートル76、120キロ。目標の選手はイタリア代表プロップのカストロジョバンニ。

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2017年12月28日のニュース