佐久長聖 9年ぶり2度目の頂点 倉敷の男子連覇阻む

[ 2017年12月25日 05:30 ]

男子第68回・女子第29回全国高校駅伝 ( 2017年12月24日    京都・西京極陸上競技場発着=男子7区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロ )

優勝のゴールテープを切る佐久長聖のアンカー・山本
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 都大路の借りは、都大路で返した。昨年と同じ「2強」のマッチレースとなった男子は、佐久長聖(長野)が6区でトップに立ち連覇を狙った倉敷(岡山)にリベンジ。2時間2分44秒で9年ぶり2度目の優勝を果たした。女子は2区のヘレン・エカラレ(3年)が史上初となる3年連続区間新記録の激走を見せた仙台育英が23年ぶり3度目のV。1時間6分35秒は歴代2位の好タイムだった。

 昨年敗れた倉敷に雪辱を果たした喜びが、両腕にこもっていた。佐久長聖・山本嵐主将は力強いガッツポーズをつくり満面の笑みでゴールテープを切った。「優勝したい気持ちを持って一年間やってきた。監督からは“最後は順位に関係なく笑ってゴールしろ”と言われていました」

 大きな危機を乗り越え20年連続20度目出場という節目を飾った。12月に入り主力の上級生が故障で離脱したが、1年生がカバーした。6区に抜てきされた鈴木はトップと13秒差で発進すると、3キロ地点の手前から倉敷の八木と並走。「相手の呼吸が荒れていた。一気に仕掛けて突き放そうと思った」。冷静な判断でスパートすると、18秒の貯金をつくった。2区の服部とそろって区間賞。5区の富田も区間2位と健闘した。高見沢勝監督は「こんな頼もしい選手があと2年いるかと思うと心強い」と称えた。

 山本嵐主将は「下からの突き上げがあったからこそ、上も頑張れた」。日常生活から隙をつくらないことを意識。スリッパをそろえる、ゴミを拾うといったことを厳しく言い続け、それに応えた後輩たちに感謝した。

 留学生が主力のチームが主流の中、日本人選手だけで完勝した。山本嵐主将は「来年、再来年のチームに希望を与えられる走り」と力を込め、鈴木は「来年は留学生の多い3区を任されたい」と意気込む。留学生がいなくても、主力にアクシデントがあっても…。部員全員でつかんだ、文字通りチームワークの優勝だった。

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2017年12月25日のニュース