宇野ミスっても首位!SP96・83点 羽生不在の国内敵なし

[ 2017年12月23日 05:30 ]

フィギュアスケート全日本選手権第2日兼平昌冬季五輪代表最終選考会 ( 2017年12月22日    東京都調布市・蔵野の森総合スポーツプラザ )

格の違いを見せつけSP首位につけた宇野
Photo By スポニチ

 男子ショートプログラム(SP)で、初の五輪代表を確実にしている宇野昌磨(20=トヨタ自動車)が96・83点で首位発進した。連続ジャンプを跳べないミスもあったが、2位に5・49点差をつけて、2連覇へ向けて好発進した。田中刑事(23=倉敷芸術科学大大学院)が91・34点で2位につけて、3人目の五輪代表入りをアピール。代表2枠を懸ける女子フリーは23日に行われる。

 実力差は明確だった。宇野は「全体的にまだまだの得点でした」と自己ベスト(104・87点)から約8点低い得点でも余裕の首位発進。右足首を負傷した羽生結弦が不在の中、五輪切符獲得を確実にしているもう一人の日本のエースはミスがあってもトップを譲らない格の違いを見せつけた。

 満足いく演技ではなかった。苦しんだのは心と体のコントロールだ。開始前の6分間練習で得意のトーループの回転が抜けるなど調子が悪かったため、不安を解消するために「気合を入れた」という。すると中盤の連続ジャンプでは最初の4回転トーループが回り過ぎた。着氷が乱れて、単発に終わるミス。大技の4回転フリップをきれいに降り、出来栄えで1・43点も加点を引き出したが、96・83点にとどまった。

 17日の誕生日で20歳を迎え初めて臨んだ演技は不完全燃焼。「集中していないとか、仕上がっていないとかじゃないけれど、なかなかうまくいかない」と首をひねった。

 それでも不安を抱えながら大崩れはしなかったのは、地力がついている証だろう。以前は「特別懸けている思いはない。出たことがないのでピンとこない」と語っていた五輪も開幕まで50日を切り、「どんどん近づいてきている。この大会で決まる」と実感がともなってきた。

 9月の初戦ロンバルディア杯でSP、フリーともに自己ベストを出す好スタートを切って以降、今季は納得いく演技ができていない。「フリーでは満足いく演技を、いいかげんにしたい」。初の五輪に弾みをつける舞台は自分自身との戦い。今の宇野は日本一のタイトル獲得で満足できるような選手ではない。

続きを表示

この記事のフォト

2017年12月23日のニュース