坂本、自己最高“ビックリ“SP首位!大一番で初の70点超え

[ 2017年12月22日 05:30 ]

フィギュアスケート全日本選手権第1日兼平昌冬季五輪代表最終選考会 ( 2017年12月21日    東京都調布市・武蔵野の森総合スポーツプラザ )

女子SP、演技を終え笑顔が弾ける坂本花織
Photo By スポニチ

 ど根性娘が来年2月の平昌五輪代表候補に一躍躍り出た。大会が開幕し、女子ショートプログラム(SP)は今季がシニアデビューの坂本花織(17=シスメックス)が73・59点で首位発進した。4連覇を狙う宮原知子(19=関大)は73・23点で僅差の2位。本田真凜(16=大阪・関大高)は66・65点の6位と出遅れた。代表2枠を懸け、23日にフリーが行われる。

 伏兵が一躍、五輪代表候補に躍り出た。坂本は国際スケート連盟(ISU)公認大会でないとはいえ、これまでの69・40点を大幅に上回る“自己ベスト”の73・59点をマーク。想像の上を行く点数に目を丸くした。

 「点数あってるんかなと思った。こんなにうれしいことは久しぶり。いつも通りできたので70点弱ぐらいかなと。予想をはるかに超えてビックリした」

 ベートーベンの「月光」の調べに乗って滑ると、連続3回転ジャンプのフリップ―トーループを皮切りに、定評のある高いダイナミックなジャンプが次々決まった。スタミナが心配される後半に全3つのジャンプを入れるのが、一躍主役に躍り出た17歳のSP最大の特長。後半だと基礎点が1・1倍になる。これで高得点を生み出した。

 「緊張をすると頭が真っ白になっちゃう」という極度のあがり性。シーズン序盤はそれに苦しんだ。払しょくできたのは、中野園子コーチの愛のムチがあったから。朝、リンクへ。軽く動いた後にすぐ曲をかけての練習。そこで失敗をしようものなら、厳しい言葉が飛ぶという流れだった。

 寝起きの「脳味噌が働いていない」状態は、緊張で頭が真っ白な状態と同じと仮定。早朝から完璧なジャンプにこだわった。2枠の五輪代表を懸けた大一番での好発進は、「どんな時でもノーミスを意識した」という取り組みの成果だ。

 「うちには計算も作戦も何もない。一生懸命やってきただけ」

 コーチの言葉が流した汗と涙の量を物語る。GPシリーズに出場しながら、日程の関係でこの大会につながる地方大会を免除されなかった。五輪代表候補の中で唯一、一番下の大会からはい上がってきた。10月から6試合目の過密日程ながら、疲れるどころかどんどん成績を上げてきた。「試合に慣れてシニアの実感が出てきた。点も出るようになった」。つかんだ自信はもう本物だ。

 ▽女子フィギュアスケートの平昌冬季五輪への道 代表枠は2で、全日本選手権の優勝者がまず決定。2人目は(1)全日本の2、3位(2)GPファイナル出場者上位2人(3)全日本終了時の世界ランク上位3人(4)全日本終了時の今季世界ランク上位3人(5)全日本終了時のISU今季自己ベスト上位3人。5項目のいずれかを満たす選手の中から総合的に判断して選出する。GPファイナルに出場した宮原と樋口が選考レースで優位に立ち、三原、本田は(1)〜(5)の項目にいずれも該当せず、優勝が求められる。

続きを表示

この記事のフォト

2017年12月22日のニュース