18歳吉永が平昌切符 ST男子最年少代表に「経験でき幸せ」

[ 2017年12月17日 05:30 ]

スピードスケート・ショートトラック 平昌冬季五輪代表最終選考会兼全日本選手権第1日 ( 2017年12月16日    名古屋市ガイシプラザ )

1000分の2秒差で優勝を決め、喜ぶ吉永一貴
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 男女の500メートル、1500メートルが行われ、氷上のサラブレッド、吉永一貴(18=名古屋経大市邨高)がこの競技の男子最年少五輪代表を決めた。これまでの選考2戦の貯金を生かし、1500メートル2位で当確。来年2月9日の平昌冬季五輪開会式を18歳193日で迎え、1994年リレハンメル五輪開会式を18歳202日で迎えた寺尾悟を抜く。男子の坂爪亮介(27=タカショー)、女子の菊池純礼(21=トヨタ自動車)も含めた3人が韓国行きの切符を手にした。

 華麗なる一族には、華やかな経歴がふさわしい。母が全日本女王、叔母が世界選手権女王という18歳の吉永が、この競技における五輪の男子日本代表最年少記録を塗り替えた。

 「自分の年齢でこれだけの経験ができるのは幸せ。僕しか学べないことや挑戦できないことがある。(五輪の)このチャンスを次にもつなげながら、今回も頑張っていきたい」

 早くも視線を韓国に向けたホープは、初日に強さを見せた。これまでの獲得ポイントにより、1500メートルで2位以内ならば代表5枠のうちの一つをつかめることになっていた。

 決勝の最後のコーナーで横山に抜かれて優勝は逃したものの、条件をクリア。続く500メートル決勝はゴール前で足を伸ばして、その横山を逆転した。1000分の2秒差でやり返し「気合です」と胸を張った。

 高1で全日本選手権総合優勝をした逸材が今季は安定した成績を残した。その要因の一つが、食事による体質改善。この大会3連覇を飾り、世界選手権総合2位の実績を持つ母・美佳さん(58=旧姓・加藤)は息子の変化を明かす。「“鉄分が足りてないから3カ月後にはバテちゃう。今から食べないと”そんなことを言うようになりました」

 ナショナルチームで得た知識を母に伝達。ホウレンソウを我慢して食べ、パプリカは刻んでもらい、「まずいなと思いながら」食べてきた。その結果、「去年まで(シーズン中に)1回は風邪をひいていた」という体質が強くなった。米国在住の叔母・美善さん(55)が観戦する中で五輪切符をつかんだ。「リレーでも個人でもメダルを獲るつもり」。母たちと同じように世界へ羽ばたく。

 ◆吉永 一貴(よしなが・かずき)1999年(平11)7月31日生まれの18歳。愛知県尾張旭市出身。小学2年の時に母・美佳さんに連れられてショートトラックを観戦したことがきっかけで競技を始める。中学3年の全日本距離別選手権1500メートルで優勝して頭角を現す。17年世界ジュニア選手権は総合3位。1メートル73。好きな音楽はラップ。来春から中京大へ進学。

 ▼平昌五輪出場への道 代表枠は男女各5人。今大会を含めた選考3大会の獲得ポイントで、500メートル、1000メートル、1500メートルの各1位は決定。男子1000メートルの坂爪、女子1500メートルの菊池純の1位は既に代表確定。3距離の総合ポイント1位(既に権利を得た者を除く)も選ばれる。過去の実績などを踏まえた強化部推薦でも1人が選出される。各距離の1位が重複した場合は、各距離の2位、総合ポイントなどから選ばれる。

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