スノボ平野ケガからの完全復活V「やっと自分のスノーボードが帰ってきた」

[ 2017年12月10日 06:59 ]

表彰式の平野歩夢(右)と3位のショーン・ホワイト
Photo By スポニチ

 スノーボード・ハーフパイプのW杯は9日、米コロラド州コッパーマウンテンで決勝が行われ、男子はソチ五輪銀メダルの平野歩夢(19=木下グループ)が95・25点で優勝した。片山来夢(22=バートン)は84・75点で4位。女子は冨田せな(18=新潟・開始国際高)が4位に入った。

 「最初から優勝を狙って臨んでいた。みんな(回数を追うごとに)難易度上げてくるんだろうなと思っていたので、2本目から難易度上げて攻めていった」。3回の演技の最高点で争う決勝。平野は1回目にフロントダブルコーク1260(縦2回転横3回転半)を決めるなど90・50点でトップに立った。2回目は最高難度のフロントダブルコーク1440(縦2回転横4回転)を投入して成功。1260も組み込んだルーティンで、95・25点と他を圧倒するハイスコアを叩き出した。

 「追い越されるかもしれなかったし、ラスト1本でさらに圧倒的な滑りができればと思った」と3回目は1440の連続技にも挑戦。これは着地が決まらなかったが、回数を追うごとにルーティンの難易度を上げ、「だいぶ完成してきた。もうひと踏ん張りして、これ以上のものを五輪で見せられればいい」と十分に手応えをつかんだ。

 3月の大会で激しく転倒し、左膝の内側側副じん帯を損傷し、腹部を強打して肝臓も痛めた。リハビリから始めて、まだ膝の痛みが残る中で5月に再びボードに乗り、「凄く長く感じた」と一歩ずつ踏みしめながら復帰への道のりを進んできた。9月のW杯開幕戦は2位。そして本格的な五輪シーズンの幕開けとなる今大会で、スーパースターのショーン・ホワイト(米国)や世界王者のスコット・ジェームズ(オーストラリア)を抑えて優勝を飾った。ケガで失っていた自信を取り戻し「やっと自分のスノーボードが帰ってきた」とホッとしたような笑顔。完全復活を宣言した平野に来年2月の平昌五輪での金メダルが見えてきた。

続きを表示

2017年12月10日のニュース