小林潤 26歳で遅咲きのW杯初V 原田監督びっくり「彼は宇宙人」

[ 2017年11月21日 05:30 ]

ノルディックスキー W杯ジャンプ男子個人第1戦 ( 2017年11月19日    ポーランド・ビスワ、ヒルサイズ=HS134メートル )

表彰台に立つ小林潤志郎(中央) (AP)
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 遅咲きの26歳がサプライズ優勝を果たした。小林潤志郎(雪印メグミルク)が124メートル、126・5メートルの合計260・5点で、1回目の2位から逆転してW杯初勝利を挙げた。日本ジャンプ男子のW杯優勝は14年11月の葛西紀明(45=土屋ホーム)以来3季ぶり。W杯個人戦63試合目の小林潤はこれまで13位が最高だったが、五輪シーズンの個人開幕戦で一気に日本の新エースに名乗り出た。葛西は1回目31位で、2回目に進めなかった。

 小林潤が勝った。周りが驚き、何より勝った本人が驚いた。3カ月を切った平昌五輪での戦いを占うシーズン最初の個人戦。ソチ五輪2冠のストッフ(ポーランド)、昨季世界選手権2冠のクラフト(オーストリア)を従え表彰台の真ん中に立ち、「想像以上なのでうれしい」と少し居心地が悪そうだった。これまでW杯でトップ10すらないが、兆候がなかったわけではない。今夏は白馬でのグランプリで2連勝するなど上り調子。夏の好結果がそのまま冬につながらないのがジャンプ競技の難しいところだが、それを一過性で終わらせず、今大会の予選は3位で通過。18日の団体戦でも各国エースが集う4番手でトップクラスの成績を残した。この日も追い風が強い難しい条件の中で飛距離を伸ばし、「シーズンインがうまくできている」と充実感をにじませた。

 所属する雪印メグミルクの原田雅彦監督は「つかみどころがなくて宇宙人。いい意味でずぶとい」と小林潤の性格を語ったが、いきなりの優勝は「驚いた。突拍子もない」と予想以上だったようだ。試合後は「コバヤシ」と何度も声を掛けられ、本場ファンからサインや写真撮影を頼まれた。

 ソチ五輪出場を逃した悔しさを胸に成長を遂げ、日本男子13人目となるW杯優勝で平昌五輪はほぼ確実となってきた。「初戦で優勝しちゃうと荷が重い」と言いつつも、「まだまだだと思ってやりたい」と貪欲さをのぞかせた。

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2017年11月21日のニュース