日馬 深夜の再帰京、17日にも任意聴取 弾丸往復は法律相談

[ 2017年11月17日 05:30 ]

16日午後11時過ぎ、警察官に囲まれながら羽田空港で車に乗り込む日馬富士(中央)
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 大相撲の横綱・日馬富士(33=伊勢ケ浜部屋)が鳥取市内で平幕・貴ノ岩(27)に暴行し負傷させた問題で、鳥取県警は17日にも都内で日馬富士を任意で事情聴取する方針を固めた。日馬富士は16日夜、福岡県太宰府市の宿舎を出て、北九州空港発の便で都内に降り立った。15日に福岡―東京間をとんぼ返りした際には、都内の法律事務所に足を運んでいたもよう。先月25日夜に起きた暴行問題は急展開を迎える。

 一般乗客とは異なるルートで羽田空港の到着ロビーに日馬富士が姿を現したのは、午後11時を過ぎてからだった。集まった100人以上の報道陣や一般客から一斉にフラッシュがたかれる中、10人ほどの警察官に守られた横綱は、無言のまま車に乗り込み、都心へと向かった。

 報道陣を欺くような行動だった。午後7時10分ごろ、伊勢ケ浜部屋宿舎の前で部屋関係者が日馬富士が宿舎にいることを明かし「横綱と親方はどこにも行かないと聞いている。帰ってもらっていい」と説明。その約20分後。若手力士が「ちょっといいですか」と報道陣に呼び掛けている隙に、裏口に着物姿の日馬富士が姿を現し、車に乗り込んだ。目的地は、前日利用した福岡空港ではなく、より遠い北九州空港。飛行機に乗り込み、帰京した。

 目的は、鳥取県警の事情聴取を受けるためとみられる。その準備は既に前日に整えられていた。日馬富士は15日早朝に部屋宿舎を出て都内に向かい、その日のうちに福岡に戻った。都内滞在は約11時間。謎の弾丸帰京だったが、その姿は都内の法律事務所で目撃されていた。鳥取県警が17日にも聴取することを事前に知り、早急に準備に入っていたものと思われる。

 日本相撲協会は15日の段階で日馬富士の帰京を把握していたが、理由については説明を受けていなかった。16日は八角理事長(元横綱・北勝海)が九州場所の会場の福岡国際センターに到着すると、日馬富士の師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)が理事長室のある部屋に入った。そこで帰京の理由を説明したとみられている。既に鳥取県警の捜査が始まっていることもあり、伊勢ケ浜親方は「言うときは言う」と内容について語らず「隠蔽(いんぺい)体質ではない」とだけ話した。

 16日には、鳥取県警が既に貴ノ岩から事情を聴いていたことも判明した。日馬富士への事情聴取では、事実関係や動機を解明し、傷害容疑での立件の可否を検討するとみられる。角界の頂点に立つ横綱による、前代未聞の暴行問題は真相解明に向けて急速に動き始めた。

 ▼10月25日夜の「モンゴル会」 翌日の鳥取巡業に向け移動し、市内のちゃんこ店で日馬富士のほか、白鵬、鶴竜の3横綱、照ノ富士、貴ノ岩らのモンゴル出身力士と日本人力士、関係者ら10人前後が宴席を催した。1次会は和やかに終了したが、2次会で事態は急変。日馬富士が生活態度を注意していた貴ノ岩が、スマートフォンを触れたことに激怒。ビール瓶で頭を殴打し、さらに倒れた貴ノ岩に対し、馬乗りになり20発以上素手で殴ったとされる。

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