白鵬 騒動を謝罪 ビール瓶、馬乗り殴打否定「止めに入った」

[ 2017年11月17日 05:30 ]

日馬富士暴行問題

大相撲九州場所5日目 日馬富士のボードの前を通り場所入りする白鵬
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 横綱・白鵬が16日、一連の騒動を謝罪した。この日の朝稽古後、この件について初めて口を開き、貴乃花部屋関係者や相撲ファン、事件に無関係な力士らにわびた。一方で日馬富士が貴ノ岩に暴行した現場の情報を一部“修正”。関係者の証言と異なる見解を明かしたことで混迷の度合いが深まった。土俵上では栃煌山を圧倒し、5勝目を挙げて首位をキープ。日馬富士の兄弟子・安美錦も平幕トップとなる5連勝を飾った。

 宮城野部屋に敷かれた取材拒否の厳戒態勢は一夜明けて解除され、朝稽古を終えた白鵬が暴行問題について急きょ、口を開いた。「私がその場にいたわけですし、貴ノ岩が休場したことは貴乃花部屋関係者の皆さん、世間に本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」。悲痛な表情で騒動を謝罪すると、暴行現場の情報を“修正”し始めた。

 複数の関係者が日馬富士がビール瓶で貴ノ岩の頭を殴ったと証言する中、「手を出したっていうのは事実としてありまして、いま報道されているビール瓶で殴ったということは、これは殴っておりません」と断言。白鵬によると、ビール瓶を持ち上げたが、水滴で手が滑り瓶が落下したという。さらに「自分がすぐに止めに入って(日馬富士を)部屋から連れ出しました」と仲裁に入ったことを明かした。弟弟子の十両・石浦が同席していたことも判明した。

 また、倒れた貴ノ岩を馬乗りで20発以上も素手で殴り続けたという証言には「馬乗りはありません」と真っ向否定。白鵬はその後2人が和解の握手を交わしたと言い、「(貴ノ岩を)先に帰しました」と話した。報道との「ズレ」を説明した一方、暴力行為には「やってはいけないこと」と断罪した。

 とはいえ、右中頭蓋底骨折などの重傷を示した診断書によれば、貴ノ岩が激しい暴行を受けたことは明らか。ビール瓶での殴打も、馬乗りも否定した白鵬だが「どこで頭が割れたか分からない」と首をひねる。日馬富士が張り手かグーで殴ったかについても「それは私は…」と歯切れが悪かった。

 取組後、自ら足を止めると改めて報道陣に事情を説明。「こんなになるとは思わなかった。場所が終わって、そこにいた関取衆、関係者を呼んで一区切りしたい」と話し、警察の事情聴取にも応じる考えを示した。関係者の証言と白鵬の発言が食い違う中、事態はさらに混迷を深めてきた。

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