責任感の塊、羽生結弦が無念のNHK杯欠場 試練乗り越えて五輪連覇必ず

[ 2017年11月10日 19:29 ]

公式練習を終え、険しい表情でリンクを後にする羽生(左)(撮影・椎名 航)
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 フィギュアスケート男子の羽生結弦(22=ANA)が右足関節外側靱帯損傷で、グランプリ(GP)シリーズ第4戦のNHK杯(大阪市中央体育館)を欠場した。

 ソチ五輪金メダリストを語る上で欠かせないキーワードが「責任感」だ。五輪を制した次のシーズン、羽生は「五輪王者らしい結果と演技をしっかり印象づけたい」と話していた。フィギュアスケートに限らず、五輪を終えると休養する選手は多い。19歳で世界の頂点に立った羽生に休むという選択肢はなく、五輪翌シーズンだからこそ進化を求め、勝負のリンクに立ち続けた。

 14年中国杯はフリー直前の6分間練習で中国選手と激突して流血しながら、強行出場で2位に入った。続くNHK杯はコンディションが万全には程遠い中で演技した。モチベーションは「ファイナルに出たい」ということ。何度も転倒しながら滑りきり、ギリギリでファイナルの切符をつかんだ。

 昨年のファイナルでは、男女通じて初となる4連覇を達成した。帰国時には「来年(17年)も続けていけるようにしたい」と5連覇に意欲を見せていたものの、NHK杯の欠場でファイナル進出は消えた。最終的には「医師の最終判断」で欠場となったが、日本で演技することへの責任とファイナル切符への意欲から、羽生はギリギリまで出場の可能性を模索していた。

 五輪シーズンに訪れた、まさかの試練。羽生は「壁の先には、壁しかない」と言ったことがある。これまで、壁にぶつかるたびに乗り越え、逆風にさらされるたびに懸命に抗い、跳ね返してきた。66年ぶりの五輪連覇が懸かる平昌まで、あと3カ月。夢舞台へのカウントダウンが進む中、今はただ、傷を癒やすことに集中する。

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