羽生負傷…公式練習でアクシデント 10日開幕NHK杯欠場も

[ 2017年11月10日 05:30 ]

公式練習で4回転ルッツの着地に失敗し、右足を負傷する羽生
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 フィギュアスケートのGPシリーズ第4戦、NHK杯の公式練習が9日、大阪市中央体育館で行われ、男子の羽生結弦(22=ANA)は4回転ルッツを跳んだ際に転倒し、右足首付近を痛めた。治療のために、練習後の公式会見を欠席。ショートプログラム(SP)は10日に行われるが、患部の状態次第では欠場の可能性も出てきた。

 王者にまさかのアクシデントが発生した。羽生は午後の公式練習で4回転ジャンプの確認をした際、3週前のロシア杯で初めて成功させたルッツに挑んだが、着氷の際にバランスを崩した。降りた右足で踏ん張りきれず、両足を広げて倒れ込むと、苦悶(くもん)の表情。その際に右足首を痛めたとみられ、しばらく起き上がることができなかった。「ケガは最大の敵」(関係者)と慎重に調整してきたが、大会直前に思わぬ事態に陥った。

 その後何とか立ち上がり、ゆっくりリンクを1周すると一度退場した。約5分後に再びリンクに戻って練習を再開したが、軽く滑る程度。ジャンプは跳ばず、右足首に負担がかかるスケーティングの場面では顔をゆがめた。フリーの「SEIMEI」の曲をかけた際は振り付けを確認したが、音楽が終わるとすぐさまリンクを引き揚げた。予定されていた夕方の記者会見は治療のためにキャンセル。大会出場の可否やケガの状況を問われた日本スケート連盟の小林芳子強化部長は「分かり次第お話しする」と語るにとどめた。

 2位に終わったロシア杯後は「(4回転ルッツの)完成度を上げたい」と話し拠点のトロントで調整。この日午後の公式練習に参加した。今季のSPの「バラード第1番」とフリーの「SEIMEI」は2年前のNHK杯で世界最高得点をマークした曲。再び最高の演技が期待されていたが、その舞台に立てない可能性も出てきた。

 3年前は練習中に中国選手と激突して流血、2年前は左足甲を痛めるなど、14年ソチ五輪後は故障やアクシデントに苦しめられてきた。平昌五輪まであと3カ月。2連覇を狙う王者に再び試練が訪れた。

 【ソチ五輪後の羽生の主なケガ】

 ▽頭部から流血 14年11月中国杯のフリーの6分間練習で、中国の閻涵(えんかん)と激突して額から流血。頭部を包帯で巻いて強行出場した。帰国後の診断は「頭部挫創、下顎挫創、腹部挫傷、左大腿挫傷、右足関節捻挫」で全治約2〜3週間。

 ▽尿膜管遺残症 14年12月に腹痛を発症し、全日本選手権後に「尿膜管遺残症」と判明。手術を受け、約2週間の入院。約1カ月の安静が必要と診断された。

 ▽左足リスフラン関節じん帯損傷 15〜16年シーズン途中で左足甲に痛みが発症。4月の世界選手権後、左足リスフラン関節じん帯損傷のため、全治約2カ月間の安静、加療を要すると診断された。

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