稀勢、出場明言「仕上がってる」3場所連続休場から再起期す

[ 2017年11月10日 05:30 ]

九州場所前夜祭で雲龍型の横綱土俵入りを確認をする稀勢の里(右)
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 横綱・稀勢の里(31=田子ノ浦部屋)が9日、大相撲九州場所(12日初日、福岡国際センター)への出場を明言した。自身初の全休となった9月の秋場所後から精力的な稽古を続け、臨戦態勢が整った。今年は1月の初場所で初優勝を飾り場所後に横綱に昇進。3月の春場所では新横綱優勝を果たしたが、その後は3場所連続で休場した。納めの場所で再起を果たし、激動の一年を締めくくる。

 やれることは全てやりきった。取組編成会議を翌日に控えたこの日の稽古後、稀勢の里は決意を口にした。「いい状態になったと思う。しっかり仕上がっている。あとは結果を残せるようにしたい」。3場所連続休場からの再起を誓った。

 新横綱の春場所13日目、日馬富士戦で敗れた際に左上腕などを負傷した。強行出場の末に千秋楽の本割、決定戦で照ノ富士を連破して2場所連続優勝を手にした。だが、代償は大きすぎた。得意の左からの攻めができず、夏場所は途中休場。名古屋場所でも不振が続き、追い打ちをかけるように左足を負傷して連続途中休場となった。秋場所は自身初の全休。「良いか駄目かの一年間だった」と振り返った。その上で「(ケガをして)いろいろ学んだことがある。ケガの功名という言葉もある」と苦悩の日々もプラスに捉えている。

 秋巡業はマイペース調整を続け、福岡入り後は弟弟子の高安との稽古、二所ノ関一門連合稽古などでピッチを上げた。その中で左おっつけが違和感なく出るようになった。「先場所前は良くない部分がたくさんあった。それに比べれば」と左からの攻めに自信が戻った。この日は三段目力士に右腕を固めさせ、左おっつけで攻める立ち合いも確認した。

 本場所の会場で行われた九州場所前夜祭では、休場続きでつけられなかった赤の三つぞろいの化粧まわしを初めてつけ、力強い雲龍型の横綱土俵入りを披露した。「また、良い方向に進んでいければ。そうなるように、やるべきことをしっかりやる。一番一番集中してやるだけ」。稀勢の里の勝負の場所が始まる。

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2017年11月10日のニュース