フォン連覇、愛ねじ伏せる パットさえた「自信はありました」

[ 2017年11月6日 05:30 ]

女子ゴルフツアー TOTOジャパンクラシック最終日 ( 2017年11月5日    茨城県小美玉市 太平洋クラブ美野里コース=6608ヤード、パー72 )

TOTOジャパンクラシック最終日 2番、ティーショットを放つフォン・シャンシャン
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 世界ランク4位、12年全米女子プロ覇者の底力を見せつけた。2位の鈴木と1打差で迎えた17番。フォン・シャンシャンは、鈴木にプレッシャーをかけるように7メートルのバーディーパットを先にねじ込んだ。「今週はパットの調子が良かったので自信はありました」。後から打った鈴木も1メートルを沈めバーディーを決めたが、1打差は変わらず。これが事実上の“ウイニングパット”となった。

 01年から5連覇したアニカ・ソレンスタム以来となる歴代4人目で、自身初の2年連続V。「2週前が3位、前週が2位となっていたので、コーチから“次は優勝だ”と言われてました。プレッシャーはあったけど鈴木選手も緊張していると思って、気持ちを落ち着かせながらやりました」。パーオン率87%の安定したショットを武器に初日から首位を守る完全Vを果たした。

 名前のシャンシャンは、6月に上野動物園で生まれたパンダの赤ちゃんと同じ。自らの漢字は「珊珊」でパンダの「香香」とは違うが、大会前には「パンダは中国のシンボル。赤ちゃんは女の子と聞いているけど、彼女がラッキーをもたらしてくれるはず」と話していた。最終日はそのパンダを思わせるツートンカラーのウエアでプレー。「これは牛の柄。今はこれが私のトレードマーク」と話した後に「これからはパンダのデザインにしてもらおうと思います」と言って笑いを誘った。

 この優勝で今季の賞金ランクは6位に浮上。「これまでは最終戦のツアー選手権に出るチャンスがなかったけど、それに向けて頑張ります」と意気揚々と成田空港行きの送迎バスに乗り込んだ。

 【勝者のクラブ】▼1W=本間ゴルフTW727 455(ロフト角10.5度、シャフトの硬さR、長さ45.25インチ)▼3W=同TW727(15度)▼UT=同TW727(18、21度)▼5〜10I=同TW727V▼ウエッジ=同ベレスW105P(52度)、テーラーメイド・ミルドグラインドLB―09(56、60度)▼パター=オデッセイ・ホワイトホットRX ROSSIE▼ボール=タイトリスト・プロV1x

 ◆フォン・シャンシャン 1989年8月5日 中国広州市出身の28歳。父親の影響で10歳からゴルフを始める。04、05年中国女子アマを連覇。07年米ツアー予選会を突破しプロ転向。08年から米ツアー参戦。11年から日本ツアーにも参戦。米ツアー8勝(メジャー1勝)。日本ツアー5勝。1メートル72。

 《牛肉パワー!?観戦母明かす》娘の優勝を見届けたフォン・シャンシャンの母・鄭玉顔(ジェンユーイェン)さん(55)は「今週は勝てそうな予感がしていました。(娘は)日本に来ると気持ちが楽になるようです」と喜んだ。11年から米ツアーと日本ツアーの両方に参戦し、日本開催ではこれが7勝目。「日本には縁のある人も多くて、ファンの方もとても親切。何より牛肉がとてもおいしいから、凄く居心地がいいようです」とパワーの源を明かしていた。

 ◆表彰 優勝したフォン・シャンシャンに大会会長の喜多村円TOTO代表取締役社長執行役員から優勝トロフィーと優勝賞金22万5000ドルの小切手が、大会副会長の三村景一毎日放送代表取締役社長からMBS賞(トロフィー)が、大会名誉会長の河野俊史スポーツニッポン新聞社代表取締役社長からスポーツニッポン新聞社賞(パールネックレス)が贈られた。

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