【岡崎真の目】新葉 鬼気迫る圧巻の演技、総合力で一歩リード

[ 2017年11月5日 09:45 ]

フィギュアスケート グランプリシリーズ第3戦中国杯第2日 ( 2017年11月4日    中国・北京 )

中国杯女子フリーの演技を終え、笑顔の樋口
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 樋口は申し分ない圧巻の演技だった。ミスがなかったのはもちろんだが、最初から最後まで鬼気迫るものがあった。プログラムの雰囲気も彼女のキャラクターによく合っていて、緩急のある曲に合わせて自分も変化させ、ハイライトに向けて巧みに盛り上げていった。勢いが落ちずに滑りきった分、ジャッジへの印象度も良く、高い演技構成点を得ることができた。

 4回転が勝負の男子はハイリスク&ハイリターンの戦いでミスが付きものになっているが、女子はトリプルアクセルなどで果敢に攻めてくる選手はまれで、上位陣はほぼ同じ内容での戦い。そうなるとミスを少なくして演技点やGOE(出来栄え評価)でどう上乗せするかが勝負となる。その意味では総合力で樋口が他の日本勢よりも一歩リードしたような印象を受けた。三原も本田も大きなミスはなかった。ただ、本田は連続ジャンプでミスをしてから勢いがなくなったように見えた。やるべきことはやっているが、樋口のような気迫は感じられなかった。ラストチャンスの全日本に向け、感情の起伏をどう抑えるかが課題となりそうだ。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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