真凛変身 涙のSP10位から巻き返し総合5位「逃げずにできた」

[ 2017年10月30日 05:30 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第2戦 スケートカナダ第2日 ( 2017年10月29日    カナダ・レジャイナ )

<スケートカナダ>笑顔で女子フリーの演技をする本田真凜(撮影・小海途 良幹)
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 大会会場となったレジャイナは内陸地で、季節ごとの気温差が激しい。夏は最高気温40度を超え、冬はマイナス40度を記録したこともある。その荒々しい気候のように本田が一晩で激変した。

 「出るって決めたから、途中でやめるようなことはないようにって(浜田美栄コーチに)言われた。自分で逃げずにしっかりできた」

 大会直前に訴えた左臀部(でんぶ)の張りを抑える痛み止めを飲んで挑んだフリー。2本のジャンプで回転不足を取られたとはいえ、大きなミスなく「トゥーランドット」を滑り切った。ガッツポーズを連発し、総立ちの場内の歓声に応えた。

 SP10位の翌日、フリー3位。SP終了後は眠れないほど落ち込んだという。しかし、浜田コーチに練習姿勢を厳しく怒られても、へこたれないのが、本田の真骨頂でもある。「私は練習してきたつもり。先生と練習の考え方に大きな違いがあった。今後は改善しないといけない。でも、(フリーは)自分に集中できたかな」

 一方で、浜田コーチもその特徴は把握している。「時間がたてば、落ち込むことさえも飽きる子」と“一変”の理由を分析。さらに「(フリーの)スピンは回転を数えられるぐらいゆっくりだった。さっさと回ってほしい。スピンは練習。努力すれば速くできる」と続け、今後の“変貌”に期待した。

 5位まで巻き返したとはいえGPファイナル出場は厳しい。それでも、フリー3位は底力の証明。五輪への挑戦は、ここから始まる。

 ≪GPファイナル進出への条件≫本田は5位まで追い上げたものの、12月のGPファイナル(名古屋)進出は厳しい。今回の順位点は5点で、近年のファイナル進出ラインは2戦合計24点。GPファイナルの日本勢上位2人は五輪選考の対象となるが、これを逃すと、12月の全日本選手権(東京・調布)の一発勝負となる。優勝者は出場確定。残り1枠はこの大会の上位者とGPファイナルの上位者で総合的に判断される。

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