【岡崎真の目】宇野ミス忘れさせる演技力さすが 真凛SPの教訓生かし、らしさ全開

[ 2017年10月30日 07:30 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第2戦 スケートカナダ第2日 ( 2017年10月30日    カナダ・レジャイナ )

<スケートカナダ男子フリー>フリーの演技をする宇野昌磨(撮影・小海途良幹)
Photo By スポニチ

 宇野は中盤の4回転で崩れたので心配したが、後半は音楽の盛り上がりに合わせてスピード感が増し、テンポよく3連続ジャンプや3回転―3回転のコンビネーションを決めた。コレオシークエンスから最後のスピンでも観衆を魅了し、中盤で失敗したことを忘れさせるほどだった。

 ジャンプでの失敗は仕方がない。そのミスを、素晴らしい演技力でカバーした。大きく崩れかかった中ですぐに立て直し、決めるところはきちんと決めてフリーで200点近く、総合でも300点以上を叩き出した。あとはジャンプの精度を上げることだ。まだ4回転サルコーも持っているし、今回より更に得点の上積みが期待できる。昨季より演技点が上がっていることも大きい。最終目標の平昌五輪に向けて、まずは好調なスタートを切ったと言っていいのではないか。

 本田は若干ジャンプの回転不足こそあったものの、最後まで危なげなく滑りきった。スピンの取りこぼしもなかったし、回転不足も微妙なもので減点幅も小さかった。SPの失敗の教訓を踏まえて一つ一つきちんと要素をこなしている印象だったし、丁寧に滑ろうとしてスピード感がないわけでもなく、最初から最後まで彼女のスケートの流れの良さが出ていた。次の中国杯は連戦となるが、今回のフリーぐらいの出来でSPと2本そろえた時にどこまでいけるのか、楽しみだ。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

続きを表示

2017年10月30日のニュース