柔道国際大会でイスラエル国旗掲揚と国歌演奏を拒否…「スポーツは政治に屈してはならない」

[ 2017年10月29日 17:48 ]

 UAEで行われた柔道のグランドスラム・アブダビ大会で26日、優勝したイスラエル選手の国旗掲揚と国歌演奏が拒否される事態が起きた。

 男子66キロ級でタル・フリッカー(25)が優勝したものの、表彰式ではイスラエル国旗の代わりに国際柔道連盟(IJF)のシンボル旗が掲げられ、国歌ではなくIJFのアンセムが流された。

 大音量でアンセムが流れる中、フリッカーは笑みを見せずにイスラエル国歌を歌い続けた。SNSでは多くの共感の声が寄せられ、フリッカーはフェイスブックで「スポーツは政治に屈してはならない。代わりの旗が掲げられる中で国歌を歌う心境は何とも言いがたいものがあった。今大会の優勝は自分だけでなく、イスラエルや世界中のユダヤの人々にとって重要だった」とメッセージをつづった。

 UAEはイスラエルを国歌として承認しておらず、イスラエルの国旗の表示も禁止されているという。昨年のリオ五輪でも男子100キロ級のエジプト選手がイスラエル選手との握手を拒否して観客からブーイングを浴び、国際オリンピック委員会に厳重注意処分を科されたことがあった。

 柔道のグランドスラムは五輪や世界選手権、ワールドマスターズに次ぐ規模の大会で、東京を含めて年間5大会あるビッグイベント。IJFは大会前にイスラエル選手を平等に扱うように要請したが認められなかったようだ。そのため今大会ではイスラエル選手は国旗ではなくIJFのマークの入った柔道着を着用し、IJFの公式サイトでもイスラエルの選手の出身国はIJFと表記されている。

続きを表示

2017年10月29日のニュース