勇太、日本オープン2勝目!31歳9カ月“AON超え”

[ 2017年10月16日 05:30 ]

男子ゴルフツアー 日本オープン最終日 ( 2017年10月15日    岐阜県関市 岐阜関カントリー倶楽部東コース=7180ヤード、パー70 )

ウイニングパットを決め、ガッツポーズする池田勇太
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 勇太が3年ぶり2度目の制覇でAONを超えた。2位に5打差で出た池田勇太(31=フリー)は72と崩れたものの、通算8アンダーで今季3勝目、ツアー通算19勝目を挙げた。アマチュアの金谷拓実(19=東北福祉大1年)に1打差まで迫られながら逃げ切り、青木功、尾崎将司、中嶋常幸を超える31歳9カ月23日で大会2勝目を飾った。68を出した金谷は90年ぶりのアマチュアVは逃したが、2位に入った。

 必死に歯を食いしばり、こらえた。でも潤んだ瞳は隠せない。1打リードの池田の18番。3パットの可能性もある15メートルのバーディーパットを10センチに寄せ、勝負を決めた瞬間、涙腺が決壊しかけた。

 「あんだけ寄ったからな。ホッとしたよ」

 5打のリードがあり、同組は19歳のアマチュア。昨晩のうちに複数の関係者から「優勝、おめでとう」とのメールが届いた。勝って当然の空気が漂う中、3日目の上がりで2ボギーを叩いた失態は「悔しくて夢で2回も見た」ほど、もやもやしていた。周囲とのギャップを残したままスタートすると、3番で「予想外」の左OBでダブルボギー。4番でいきなり1打差に詰め寄られた。中盤で3打差に広げたものの、15番で今度は右OB。16番でもボギーを叩くと、勝負師の顔面は真っ青だった。

 最後に頼ったのがプロのプライドだった。この日はティーが前に出て1オンが可能となった297ヤードの11番パー4は迷わず1Wで1オンしてバーディー。曲げるとやっかいな18番も1Wで300ヤードを飛ばした。いずれも金谷は刻んだ。

 「金を払ってみんな見に来てくれているんだから、1Wを持って男子プロの凄さを見せないと。18番も今までのことは帳消しでフェアウエーに置く自信があった」

 14年大会を制した後、2年連続2位。雪辱を誓った今年はトレーナー3人を帯同し万全の状態をつくり上げた。「アマに負けちゃいけないし、どんな勝ち方でも勝ったか負けたかが大事」。AON超えを果たす年少での大会2勝目で賞金ランキングは3位に浮上。2年連続の賞金王を視界に捉え、世界ランキングも30位台に上昇する見込みだ。「もう一度行きたい」という、年末の世界ランキング50位以内で出場できる来年のマスターズも視界に入ってくる。

 普段は内容にもとことんこだわる男は「(今日のミスが)夢に出てこないように、(酒を)飲むから大丈夫」と笑い飛ばした。プロの矜持(きょうじ)だろう。涙は最後まで流さなかった。

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2017年10月16日のニュース