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秋場所で奮闘した阿武咲と貴景勝 どうして2人は対戦しなかったのか

<大相撲秋場所>殊勲賞の貴景勝(左)と敢闘賞の阿武咲
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 【佐藤博之のもう一丁】大相撲秋場所は99年ぶりに3横綱2大関が休場したことで、横綱・大関の本割での対戦は千秋楽の日馬富士―豪栄道の1番だけだった。稀勢の里が初場所後に横綱に昇進したものの、ファンが注目している白鵬との横綱同士での対戦は4場所連続で実現していない。九州場所で初日から4横綱がそろったとしても、故障がちな横綱が4人とも皆勤する保証はない。ならば、いっそのこと、1972年初場所で1人横綱の北の富士が初日に大関・琴桜と対戦したように、序盤から横綱・大関の対戦を組んだ方が盛り上がるのではないのだろうか。

 横綱・大関の上位戦だけでなく、記者が期待していた一番も組まれずに終わった。それは、敢闘賞を受賞した阿武咲と殊勲賞の貴景勝の取組だ。ともに1996年生まれの21歳で、関取最年少世代。小学校時代からのライバルで、2011年の全国中学校相撲選手権では決勝で対戦し、貴景勝が優勝している。阿武咲は青森・三本木農高を1年で中退して13年初場所初土俵。貴景勝は埼玉栄高3年だった14年秋場所で初土俵を踏んだ。今場所はともに横綱・日馬富士を破って初金星を奪取。2人は番付が2枚しか違わなかっただけに対戦してもおかしくなかったが、優勝争いが混沌(こんとん)としたため、交わらなかった。

 14日目の取組は、阿武咲が幕尻の朝乃山が相手だった。初日、2日目以外の取組は、その2日前の結果を基に編成される。14日目なら、13日目の取組が行われる前に発表となる。今場所は12日目終了時の優勝争いは2敗が1人で、4敗が10人。横綱・日馬富士以外は全て、優勝の可能性のある力士との対戦が組まれたため、この時点で5敗だった貴景勝との対戦は見送られた。千秋楽は阿武咲が貴ノ岩が相手で、貴景勝は玉鷲戦。記者はここで阿武咲―貴景勝にして、朝乃山を「これより三役」で玉鷲と対戦させてもよかったと思ったが、13日目時点でトップと1差といえども幕尻を「これより三役」に抜てきするという大胆な取組は実現しなかった。

 阿武咲、貴景勝とも押し相撲だが、相撲っぷりは微妙に違う。阿武咲はかつて出稽古に来た稀勢の里からアドバイスを受けたこともあり、下半身で攻めるタイプ。一方の貴景勝は突っ張りでうまく距離をつくるなど、上半身の攻めがポイントになっている。同じ貴乃花一門だけに、名古屋場所前は阿武松部屋で連日のように三番稽古を行った。互いの手の内は知り尽くしているだけに、小細工なしの攻防が期待される。阿武咲は「あいつとは勝ち負け関係なく、気持ちのいい勝負ができれば」という。それなのに、対戦したのは夏場所千秋楽の一度きりというのは寂しすぎる。

 九州場所はともに番付を上げる。場所の話題は復帰する上位陣に集中することになるが、将来の角界を引っ張っていくであろう2人の対戦にぜひとも注目してもらいたい。(専門委員)

 ◆佐藤 博之(さとう・ひろゆき)1967年、秋田県大曲市(現大仙市)生まれ。千葉大卒。相撲、格闘技、サッカー、ゴルフなどを担当。スポーツの取材・生観戦だけでなく、休日は演劇や音楽などのライブを見に行くことを楽しみにしている。

[ 2017年9月30日 10:45 ]

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