奈紗 最年少ツアー2勝、藍超え18歳254日「恩返しになった」

[ 2017年9月25日 05:30 ]

女子ゴルフツアー ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン最終日 ( 2017年9月24日    宮城県利府町 利府ゴルフ倶楽部=6551ヤード、パー72 )

ミヤギテレビ杯最終日 優勝を決めた畑岡(右)は李知姫(中央)と笑顔でハグ
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 18歳の畑岡奈紗(森ビル)がまたも歴史を塗り替えた。首位から出て8バーディー、1ボギーの65で回り、2位に4打差をつけて優勝。昨秋に17歳のアマチュアとして日本女子オープン選手権を史上最年少で制しており、18歳254日でのツアー2勝目も2004年の宮里藍さんより8日早い最年少記録となった。

 優勝パットは苦手な下りのスライスラインだった。「最後に苦手なラインが来た。思い切って練習通りに」と自分に言い聞かせ、5メートルをしっかりと打ち切った。唯一の2桁アンダーで圧勝。「安心した。アメリカでは結果を残せなかったけど、(契約する)ダンロップの大会で優勝できたことは恩返しになったと思う」と18歳は爽やかな笑みを浮かべた。

 力強いショットと正確なパットで他を寄せ付けなかった。出だしの1、2番でいずれも2メートルに寄せて2連続バーディー。6番でボギーを叩いたが、動じることはなかった。「上りパットを残すようにする」と気持ちを切り替えると再加速。9番では139ヤードからの第2打を9Iで50センチに寄せるスーパーショットを披露した。7番から3連続バーディーで後続を突き放した。

 昨秋、日本女子オープン選手権で史上最年少でのアマ優勝。プロに転向し、ルーキーイヤーは米ツアーに軸足を置いた。ただ、期待に胸を膨らませた米国での戦いで待っていたのは大きな挫折感だった。ショットの不調に苦しみ「今季は自分のゴルフが全くできずに終わってしまった」と振り返る。

 「日本に帰りたい」。米ツアーで予選落ちが続いていたころに、父・仁一さん(52)は電話越しに娘のおえつを聞いたという。「あっちでつらく苦しい経験をしたので、今日は神様がご褒美をくれたんだと思う」。仁一さんは涙を浮かべ、何度も声を詰まらせながら娘を褒め称えた。

 この大会は憧れの宮里藍さんが03年にアマチュアで参戦し初優勝した。そんな舞台で前週に現役最後の試合を終えた大先輩が持っていたツアー2勝目の最年少記録を更新した。今年6月には宮里さんから「自分を信じてやること」と励まされたこともあった。勇気をもらい、2勝目をつかみ「ようやく自分のゴルフができてきた」と胸を張った。

 来季の主戦場は未定だ。一時、米ツアー撤退の可能性も示唆したが、「気持ちは7割くらいアメリカにある」と語った。次戦は連覇に挑む日本女子オープン選手権(28日開幕、千葉・我孫子GC)。「優勝はもちろん狙っていきたい」。澄み渡った秋空の下、声高らかに宣言した。

 ◆畑岡 奈紗(はたおか・なさ)1999年(平11)1月13日生まれ、茨城県出身の18歳。母親の影響を受けて11歳でゴルフを始める。中学時代は陸上部で200メートルを専門、茨城・ルネサンス高入学を機にゴルフ専念。15年から世界ジュニア選手権2連覇。日本ゴルフ協会のナショナルチームで活躍した。17歳だった16年10月に日本女子オープン選手権で史上最年少優勝を果たし、プロに転向。最終予選会を突破して今年は米ツアーに本格参戦した。名前は米航空宇宙局(NASA)に由来する。1メートル58。

 【勝者のクラブ】▼1W=スリクソンZ765(ロフト角10・5度、シャフトの硬さ6S、長さ45インチ)▼3W=同ZF65(15度)▼3U=同H45▼4U=同ZU65▼5I〜PW=スリクソンZ745▼ウエッジ=クリーブランドRTX2・0PF(48、54、58度)▼パター=ピン・スコッツデールPiperC▼ボール=スリクソンZスターXV

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