レスリング登坂1年ぶりの復活優勝「この1年は地獄だった」

[ 2017年9月24日 17:04 ]

全日本女子オープンで復帰した登坂絵莉
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 リオ五輪以来の復帰戦で優勝した登坂絵莉(24=東新住建)は「思っていた以上に苦しい試合だった」としたたる汗をぬぐった。1年1カ月ぶりの実戦の緊張感に加え、大会直前に体調を崩して万全でも臨めなかった。

 準決勝の谷山菜緒(法大)戦では序盤で0―6とリードを許した。「頭が真っ白になって、負けちゃうのかなと思った」と不安がよぎったというが、底力を見せて逆転のテクニカルフォール勝ち。決勝の田中亜里沙(京都八幡高教)戦も先制されてから逆転。2分46秒でテクニカルフォール勝ちを収めた。「負けた状態にならないと攻められない心の弱さがあった」と多くの課題と反省が残った。

 「この1年は私にとって地獄だった。今までマットに立てることへの感謝もそれほど感じていなかったが、この場に立てることをうれしく思った」

 初めての五輪を金メダルという最高の形で終え、今年1月に慢性的に痛みのあった左足拇指球の種子骨のゆがみを取り除く手術を受けた。そのために4連覇の懸かる世界選手権も欠場し、その間に須崎優衣(18=東京・安部学院高)が代わって世界女王に輝くなど若手が台頭。「今まで自分が出ていたところに出られない苦しさがあった」と語った。しかも手術した左足は結局痛みが消えず、この日も「かばってしまって(タックルに)入りたいタイミングで入れなかった」ともどかしそうだった。

 今大会は五輪を制した48キロ級ではなく53キロ級に出場した。12月の全日本選手権では新階級の50キロ級で須崎らと優勝を争う。「今日のままでは全日本で勝つのは難しい。今の状態を受け止めてどういうレスリングをしていくか。足がどういう状態であろうと東京五輪は自分が出たい」。ケガと手術、そして復帰に至る経験を糧に、登坂は再び女王の座を目指す。

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2017年9月24日のニュース