史果逆転V 史上初父娘ツアー制覇、良兼次女「やっと勝てた」

[ 2017年9月18日 05:30 ]

女子ゴルフツアー マンシングウェアレディース東海クラシック最終日 ( 2017年9月17日    愛知県知多郡 新南愛知カントリークラブ美浜コース=6446ヤード、パー72 )

東海クラシック最終日 15番でバーディーを決め、ガッツポーズする川岸。通算13アンダーでツアー初優勝を果たした
Photo By 共同

 史上初の父娘ツアーVだ。男子ツアー通算6勝の川岸良兼(50)の次女、川岸史果(22=加賀電子)が6連続バーディーなどで、ボギーなしの64をマーク。2打差を逆転し、通算13アンダーで初優勝した。父と息子による親子Vは過去2例あるが、父と娘の優勝は初の快挙となった。2打差2位に比嘉真美子(23=フリー)が入った。

 感慨は後からやってきた。30センチのパーパットを沈め、2位に2打差でホールアウトした川岸は表情一つ変えなかった。「ノーボギーで上がれた安心感」はあっても、残り2組があるため優勝の確信はない。スコア提出所で後続の結果を知り、ようやく表情を緩めた。史上初の父娘優勝。「やっと勝てました。(シニアツアーの)父とどちらが先に勝つか競争をしていたので先に勝てて良かったです」。屈託のないコメントで沸かせた。

 カラーから7ヤードを沈めた3番のバーディーで勢いに乗った。5番は58度のウエッジで1・5メートル、7番は9Iで1メートルにつけるなど、8番まで6連続バーディーを奪った。7月に飛距離弾道測定器を購入し、苦手な100ヤード前後を磨いた成果で2打差を逆転。64の好スコアで初優勝を彩った。

 父だけではなく、日本女子アマ優勝の母・麻子(旧姓・喜多)もプロゴルファー。ジュニア時代から抜群の飛距離を誇る有望株だった。しかし、プロテストでは最初の受験でショートパット、2、3度目は1Wショットが不調で不合格。神奈川・日大高の同級生、松森彩夏らの活躍に焦る一方だった。

 そんな時、プロ転向翌年に3勝を挙げながら、不振に陥った父の姿を知る母から「みんないつかは苦労する。それがプロ入り前か、プロ入り後か」と励まされた。昨夏、4度目の挑戦で合格。「ショットもパットも合格前に両方失敗したのが今に生きている」と振り返る。

 米ツアーの2次予選会(10月19〜22日、米フロリダ州)にエントリー済み。次の狙いは3年シードが手に入る日本女子オープンだ。「父は1勝しただけではプロとして認めないと言っていたので、また先に2勝目を挙げたい」。怪物の娘は最後まで笑っていた。

 ◆川岸 史果(かわぎし・ふみか)1994年(平6)10月13日、神奈川県出身の22歳。2歳上の姉とともに10歳からゴルフを始める。日大高卒業後の13年にプロテスト受験も不合格。14年に3次予選会まで進出し、15年1月にプロ転向。プロテストは16年に4度目の挑戦で合格。最終予選会26位で今季、初のフル参戦。飛距離257.33ヤード(2位)が武器。1メートル66、75キロ。

 【勝者のクラブ】▼1W=ミズノ・JPX900(ロフト角8・5度、シャフトの長さ46・25インチ、硬さS)▼3W=同・JPX900▼3U=同・MPCLK(19度)▼4U=同・MPCLK(25度)▼アイアン=同・MP―59(5〜P)▼ウエッジ=同・プロS18(48、53、58度)▼パター=オデッセイ・ワークスヴァーサ♯1W▼ボール=ブリヂストン・ツアーB330X

続きを表示

この記事のフォト

2017年9月18日のニュース