真凜 シニアデビュー戦でSP首位 衣装忘れて「焦った」分、緊張忘れた

[ 2017年9月17日 05:30 ]

フィギュアスケートUSインターナショナルクラシック ( 2017年9月15日    米ソルトレークシティー )

女子SPで演技する本田真凜。首位発進した
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 女子ショートプログラム(SP)で、今季からシニアに転向した本田真凜(16=大阪・関大高)が66・90点で首位発進した。宿舎に忘れた衣装が直前に届くハプニングにもめげず、最高のシニアデビューを飾った。男子フリーではSP1位のネーサン・チェン(18=米国)が183・24点で、合計275・04点として優勝した。

 本田はジュニア時代と変わることなく次々とジャンプを決めた。慣れ親しんだ昨季の曲「スマイル」に乗り、難しいフリップ―トーループの連続3回転ジャンプをきれいに着氷。ノーミスでまとめて、2位だった3月の世界ジュニアで出した自己ベストに1・45点と迫る好スコアをマークした。4月の世界選手権4位のカレン・チェンや10年バンクーバー五輪4位の長洲未来ら実力者を抑えての首位だった。

 堂々たるシニアデビューだが、舞台裏はドタバタだった。6分間練習が始まる15分前。いつもより早めに着替えてアップしようと、かばんを開けた本田は血の気がひいた。衣装が入っていなかった。しわにならないようにホテルの部屋につるしていたのを忘れていた。「めっちゃ焦りました」。浜田コーチや家族のもとに走って行って事情を説明。心配する周囲の選手からも「落ち着いて」と声を掛けられた。「練習着にしようか、誰かに借りようか」。窮余の策を講じていた開始3分前。ホテルへ取りに行った関係者から衣装が届いた。

 そんな緊急事態があっても、氷上でパニックになることはなかった。「(標高約1300メートルの高地による)体力的な不安も吹っ飛んで、演技が始まったら落ち着きました」。ハプニングも味方につけた。終わってみると「初めてのシニアは本当に楽しかった。よかった、いろいろと。めっちゃいい経験です」とあっけらかんと振り返る。ジュニア時代から注目される中で結果を残し、シニア転向1年目で平昌五輪を目指す16歳。かなりの大物だ。

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