ジャンプ台でフェス!?「スポーツと○○」で広がる可能性

[ 2017年9月16日 11:45 ]

平昌五輪のジャンプ会場となるアルペンシアスキージャンプ台
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 新国立競技場の後利用の話題となると、コンサート会場としての活用が一案として挙げられるが、これって新国立競技場だけの話なんだろうか。

 7月に長野県白馬村で開催予定だった音楽フェス「AIMING HIGH HAKUBA」。その会場は白馬のジャンプ競技場だった。ランディングバーンにステージと観客エリアが設置され、スチャダラパーや水曜日のカンパネラ、渋さ知らズオーケストラといった人気アーティストが目白押し。白馬らしくキャンプやトレイルランなど、さまざまなアウトドアアクティビティまで複合されたイベントだった。

 スポーツ的に大事なことはもう一つあって、ノルディックスキー複合の日本代表で白馬出身の渡部暁斗(29)と善斗(25=ともに北野建設)がデモンストレーションでジャンプ台から跳ぶ予定になっていたことだ。最初に“開催予定だった”と書いたように、このフェスは梅雨の大雨に見舞われて残念ながら中止となってしまったのだが、渡部暁も中止を残念がった1人だった。

 「跳んでみたかったですね。予定ではオープニングジャンプって感じでセレモニーをやるだけだったけど、ずっと跳び続けてもよかったかなって。ライブはずっとやっているし、フェスをジャンプ台でやるなら、かなりの数の選手を動員して跳び続ければ、それこそスポーツと音楽という感じで面白いと思います」

 8月に新潟県の塩沢と妙高で行われたジャンプの国内大会には、意外なほど(と言っては失礼かも知れないが)多くの観客が訪れていた。冬のW杯に比べれば、大会の格はぐんと下がるし、アクセスも決して良いとは言えないジャンプ台である。それでも冬の大会に優るとも劣らないほどの集客だった。確かに観客の立場になれば、冬の寒さの中での観戦よりも心理的なハードルはぐっと下がるのかもしれない。それに山間にあって、緑に囲まれ気持ちいい風の吹くジャンプ台は単純に気持ちいい。

 来年2月に行われる平昌五輪のジャンプ台は、夏場はランディングバーンが地元クラブのサッカースタジアムとなっている。そんな施設があれば、サッカーのハーフタイムにジャンプ選手がピッチに降り立つことだってできるだろう。ジャンプの大会単体ではなく、スポーツ×音楽、スポーツ×アウトドア、スポーツ×スポーツ。新しい発想で施設を活用し、集客力、注目度を向上させる術はもっとありそうである。 (雨宮 圭吾)

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2017年9月16日のニュース