豪栄道、一人大関の意地!波乗る全勝平幕・阿武咲を返り討ち

[ 2017年9月16日 05:30 ]

大相撲秋場所6日目   ○豪栄道―阿武咲● ( 2017年9月15日    両国国技館 )

阿武咲(手前)を押し出しで下す豪栄道
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 大関・豪栄道が全勝の平幕・阿武咲の挑戦を退けて1敗を守った。大関・照ノ富士が休場し、1918年夏場所以来99年ぶりに3横綱2大関が休場する中で大関の意地を見せた。横綱・日馬富士は平幕・千代大龍を寄り切って連続金星配給を3日で止めた。平幕の大栄翔、大翔丸も1敗で並んでいる。

 横綱、大関の5人が休場する異常事態。下克上ムードが濃い秋場所で、一人大関が意地を見せた。豪栄道が全勝の阿武咲を引きずり下ろし5連勝。1敗で肩を並べた。

 「完璧ではないが相手がよく見えている。しっかりと稽古してきて、反応につながっている」

 気迫と経験が若さと勢いを上回った。立ち合いで10歳年下の初顔に右から張り手を一発見舞った。それでも突進してくる相手に対し、冷静に左に開いて押し出した。

 初場所で右足首を負傷して以降、なかなか満足いく動きができなかった。ただ、今場所前は「久しぶりに納得のいく稽古ができた」。その成果が土俵に直結している。

 豪栄道が初めて上位に挑戦したのは21歳の07年秋場所。年齢も場所も今場所の阿武咲と同じだ。「小学校の頃からテレビで見ていた人たちが目の前にいた。横綱、大関は雰囲気があった」。大関・千代大海と横綱・白鵬の壁にはね返された。小結・安馬(現日馬富士)には豪快な送りつり落としで土俵に叩きつけられた。「悔しかったし情けなかった」。あれから10年。今度は自身が壁となり、迎え撃つ立場で阿武咲に番付の差をまざまざと見せつけた。「芯が入ったいい当たりだった」。若武者を称える男気も大関の魅力だ。

 6度目のカド番。1年前の秋場所はカド番から史上初の全勝優勝を飾った。ピンチをチャンスに変える力は実証済みだ。今後、対戦が予想される相手で過去に負け越している力士は玉鷲と日馬富士くらいだ。前人未到のカド番2回目の優勝も視界に入っている。

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2017年9月16日のニュース