高安&宇良も休場危機 3横綱不在場所“負の連鎖”非常事態

[ 2017年9月12日 05:30 ]

大相撲秋場所2日目 ( 2017年9月11日    両国国技館 )

<秋場所2日目>高安は自力で歩けず車いすで顔をしかめながら引き揚げる
Photo By スポニチ

 3横綱休場の場所に追い打ちをかけて、故障者が続出した。人気力士の平幕・宇良は貴景勝に敗れた一番で右膝を負傷。大関・高安も玉鷲に敗れた取組で右太腿を痛め、ともに車いすで両国国技館内の相撲診療所に運ばれた。2人とも3日目の出場は微妙な状況。高安が休場した場合、99年春場所以来18年ぶりの3横綱1大関の休場となる。

 初日から3横綱が休場するのは昭和以降初めてという異例の場所で、負の連鎖は土俵上にも及んだ。宇良は貴景勝の突き押しで俵に詰まり、名古屋場所で痛めた右膝をひねるような形で背中から落ちた。土俵下から動けず、車いすで相撲診療所に直行。その途中にたまらず「膝がずれた。終わったな」という言葉が出た。

 3横綱不在で初優勝のチャンスを迎えていた高安もケガに襲われた。玉鷲をつかまえきれずに後退。右足での踏ん張りが利かず、押し出されて初黒星を喫した。右脚をかばいながら引き揚げ、花道の途中で付け人の手を借りた。その後、宇良同様に車いすで運ばれた。勝った玉鷲も右足首を痛め、痛々しい姿で勝ち名乗りを受けた。高安が痛めたのは右太腿。診療所から引き揚げる際は自力で歩いて車に乗り込み、「肉離れ。じん帯にはいっていない。たいしたことはない」と気丈に振る舞った。

 高安はこの日の朝稽古で左肘をアイシングしていた。負傷について多くを語らない大関は「大丈夫」と話していたが、取組では別の箇所を痛める結果となった。国技館を出ると病院に直行した。高安と電話で連絡を取った師匠の田子ノ浦親方(元幕内・隆の鶴)は、3日目の土俵に立つかどうかについて「明日(12日)の朝に決める」と話すにとどまった。宇良も「大丈夫。頑張ります」と残して国技館を後にしたが、共に休場の可能性がある。

 3横綱1大関の休場となれば99年春(横綱=貴乃花、若乃花、曙、大関=千代大海)以来となる。真剣勝負にケガは付きものながら、前売りチケットが即日完売する相撲人気の中、土俵上の雲行きは怪しくなってきた。

続きを表示

この記事のフォト

2017年9月12日のニュース