日馬 一人横綱のプレッシャー何の!貴越え幕内702勝発進

[ 2017年9月11日 05:30 ]

大相撲秋場所初日   ○日馬富士―栃煌山● ( 2017年9月10日    両国国技館 )

<大相撲秋場所初日>白鵬らの休場を示す取組表を背に上手投げで栃煌山をやぶった日馬富士(右)
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 3横綱が休場する中、一人横綱として臨んだ日馬富士(33=伊勢ケ浜部屋)は、栃煌山(30=春日野部屋)を上手投げで下して貫禄の白星発進。幕内通算勝利数を702に伸ばし、元横綱・貴乃花を抜いて単独7位に立った。大関陣は高安(27=田子ノ浦部屋)が栃ノ心(29=春日野部屋)を退けたが、カド番の豪栄道(31=境川部屋)、照ノ富士(25=伊勢ケ浜部屋)はともに敗れ、黒星スタートとなった。

 引き締まった表情は最後まで緩むことはなかった。日馬富士が栃煌山を一蹴。33本の懸賞を受け取ると、凜(りん)とした顔つきで支度部屋に引き揚げた。一人横綱の船出を白星で飾り、「初日というのはいい緊張があり、楽しみとドキドキがある。今日の一番に集中できました」と胸を張った。

 過去の対戦成績は25勝8敗。得意な相手だが、3横綱不在となれば背負うものも大きくなる。「(プレッシャーは)あるでしょ。ただでさえ勝たなければいけない地位。今場所は1人だし。優勝しないといけない気持ちがあるのでは」と藤島審判長(元大関・武双山)。ただ、この日は日馬富士らしさが際立った。

 上位陣が次々に倒れ、結びの一番までに三役以上が勝ったのは高安だけ。波乱続きの中、日馬富士は弟弟子・照ノ富士の黒星さえも取組後まで知らぬほど集中していた。「(支度部屋で)テレビを見てない。鏡の前で体を温めて、余計なことを考えず、自分の相撲に集中した」。土俵に邪念を持ち込まず、鮮やかな上手投げで結びを締めた。

 自身も先場所後に左肘の手術を検討したほど、満身創痍(そうい)で、場所前には「俺だって休みたいよ」と漏らした。浅田真央さんが引退した時には、「最近、引退という言葉が凄い響く」と言った。そんな中、幕内通算702勝目を挙げ、貴乃花を抜き史上7位に。「17年間、相撲を取ってのことなのでうれしい。これからも積み重ねて相撲道を頑張ります」。大横綱を抜く白星を機に、改めて覚悟をにじませた。

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2017年9月11日のニュース