日本 柔道混合団体で金 東京五輪新種目、6人全勝で頂点締め

[ 2017年9月4日 05:30 ]

柔道世界選手権最終日 ( 2017年9月3日    ハンガリー・ブダペスト )

男女混合団体戦決勝 ブラジルの選手(左)に勝った王子谷剛志
Photo By 共同

 初採用となった男女混合団体戦が行われ、第1シードの日本は決勝でブラジルを6―0の全勝で破り、初代チャンピオンに輝いた。男女混合団体戦は20年東京五輪での実施が決まっている。競技発祥国として五輪でも金メダルを狙う日本は、個人戦で半分の7階級を制した大会を団体の金メダルで締めくくった。

 決勝の畳に上がる直前。6人は円陣をつくって肩を組み、気勢を上げた。準決勝までの3試合は行わなかった儀式。結束力を高め、金メダル獲得へスタートした。

 先陣を切った女子57キロ級銀メダリストの芳田の相手は、リオ五輪金メダリストのラファエラ・シルバ。いきなりの難敵となったが、ゴールデンスコアの延長戦に入って攻勢に出ると、横四方固めで一本勝ち。最高の勝利でチーム日本に勢いをもたらした。

 続く男子73キロ級の橋本、女子70キロ級の新井の金メダリストコンビは、格の違いを見せつける勝利で優勝に王手。4人目で登場した男子90キロ級団体戦代表の長沢は、15年大会銅メダリストのペナウベルから指導3を引き出しての一本勝ち。2人を残して初代チャンピオンを決めた。

 入念な準備を整えた。今大会の壮行会が行われた7月26日。都内の味の素ナショナルトレセンで男女そろって組織力を高めるため、レクリエーションなどで共同作業を行うチームビルディングを実施。最初に自分自身のニックネームを付ける作業では、女子の増地克之監督が「似ていると言われるので僕は(大相撲の)白鵬にした。羽賀なんかは呼んできましたよ」と自ら先陣を切り、見えない壁を取り払った。

 シニアレベルでは男女そろって稽古を行うことがほとんどなく、国際試合でも男女別便での移動が日本柔道界の慣例だった。女子57キロ級でチーム最年長32歳の宇高菜絵は「男子もいるが、遠慮せずに引っ張りたい」と宣言。男子選手にも積極的に話しかけ、チームのまとめ役を担った。緻密な準備が功を奏し、金メダルで大会を締めくくった。

 ▽男女混合団体戦 20年東京五輪での採用が決定し、世界選手権でも初実施された。階級は男子73キロ、90キロ、90キロ超、女子57キロ、70キロ、70キロ超の6階級。今大会では各階級に最大2人がエントリー可能で試合ごとに出場選手を選択できる。勝敗は勝利数で決まり、3勝3敗で並んだ場合は一本勝ちに10点、技あり1つにつき1点などとポイントを数値化し、合計点が上回った方が勝利チームとなる。

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2017年9月4日のニュース