【上水研一朗の目】内股の組み手が上達した新井に安定感出た

[ 2017年9月3日 09:25 ]

柔道世界選手権第5日 ( 2017年9月1日    ハンガリー・ブダペスト )

女子70キロ級で金メダルを獲得した新井
Photo By 共同

 元々、海外勢にも見劣りしない体格や手足の長さがあり、きれいな技を持っていた新井だが、以前は力強さが足りなかった。組み負けて引き付けられたり、姿勢が悪くなることが度々あり、その結果安定した試合運びができない時があったが、その部分が克服されてきている。

 技術的には得意の内股に入る際、釣り手(襟を主に持つ方)の使い方が格段にうまくなった。ヤマ場となった準決勝でも実力者のアルベアルに内股に入る際、しっかりと間合いを取り形をつくることができていた。以前であれば前かがみにつぶされてしまうところを抵抗に遭っても最後まで投げきった。

 梅木は力強い組み手と寝技がうまく、その特長を生かして勝ち上がった。決勝では釣り手を徹底的に下ろされ自分の形をつくれず、相手の右の小内刈りに屈したものの、相四つはむしろ得意としていただけに、課題が見えたのではないか。リオ五輪では初戦敗退を喫し自信を失いかけたようだが、決勝まで勝ち進んだことで力があることを証明した。もう一度世界で勝つために、工夫、研究を重ねてほしい。(東海大体育学部武道学科准教授、男子柔道部監督)

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2017年9月3日のニュース