皆川夏穂、銅の舞い 日本勢42年ぶり世界新体操個人表彰台

[ 2017年9月1日 05:30 ]

新体操世界選手権第1日 個人種目別決勝フープ ( 2017年8月30日    イタリア・ペザーロ )

種目別決勝のフープで銅メダルを獲得した皆川夏穂の演技
Photo By 共同

 個人2種目が行われ、種目別決勝のフープで皆川夏穂(20=イオン)が17・700点で銅メダルを獲得した。日本勢の個人では75年大会のフープで金メダルに輝いた平口美鶴以来、42年ぶりの表彰台。皆川はボールは16・300点で8位、喜田純鈴(16=エンジェルRG・カガワ日中)はフープで16・650点の7位だった。

 優雅に舞って皆川が観衆を魅了した。1番手で登場したフープ。予選で上位だったライバルがミスで伸び悩む一方で日本のエースは高得点をマーク。2種目目のボールに備えて練習している時に、吉報は飛び込んできた。「凄くびっくりしているし、うれしい気持ちでいっぱい」と夢心地の20歳は銅メダルを手にして「重たい」と実感を込めた。

 予選で細かいミスが出た回転技や手具の投げ受けを修正し、テーピングを施した右膝の痛みにも耐えた。本場ロシアに留学して急成長を遂げ、昨夏はリオ五輪を経験。心技体の安定感が増し、「だんだんと自信につながっている。やっとロシアの選手に追い付いてきた」と照れながら喜んだ。

 個人の日本勢では42年ぶりとなる表彰台。20年東京五輪で有望種目の団体に続き、個人もメダルを期待できる選手が現れた。国際体操連盟(FIG)によると、42年前の大会には当時強豪国だったソ連やブルガリアは不在だった。種目別は非五輪種目のため、山崎浩子・日本協会強化本部長は「4種目をやりきることが重要」と話したが、欧州の強敵に割って入ったメダルの意義は大きい。

 ◆皆川 夏穂(みながわ・かほ) 1997年(平9)8月20日生まれ、千葉県出身の20歳。13年から日本体操協会の強化策で強豪国ロシアに留学して急成長。個人総合で15年世界選手権15位、16年リオデジャネイロ五輪は16位だった。東京・大原学園高出、国士舘大2年、イオン。1メートル70、53キロ。

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