インカレで復活期す五輪銀メダリスト 坂井聖人「1分52秒台をここで」

[ 2017年8月31日 16:31 ]

世界水泳男子200Mバタフライ決勝、レース後に険しい表情の坂井
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 競泳の日本学生選手権は9月1日から3日間、大阪府門真市で行われる。リオデジャネイロ五輪男子200メートルバタフライで“怪物”フェルプスを7センチ差まで追い詰めた銀メダリスト、坂井聖人(早大4年)が低迷した夏を終え、復活をかける。

 今大会男子同種目では97〜00年の山本貴司以来となる4連覇に王手がかかる。坂井は「世界選手権は情けない結果で終わってしまった。1分52秒台をここで一度出したい」と自己ベストでの優勝に意欲を見せた。

 7月の世界選手権は得意の後半も伸びず1分55秒04で6位。「情けない。ずっと体が沈んだまま泳いでいる感覚だった」。リオ決勝は1分53秒40。世界選手権優勝は1分53秒33とあって、世界一になるチャンスは十分にあった。事前の高地トレーニングでスピード練習にこだわったあまり、十分に泳ぎ込めなかったのが力を出し切れなかった要因と分析。表彰台にも上がれず、「周りにはヘラヘラしていたけど、結構落ち込んでいた」という。

 その中、幌村尚(早大1年)が自身が欠場したユニバーシーアードで1分53秒90をマークして優勝。「あのタイムを出されたら燃えない訳がない。53秒90、見た瞬間、やべーなと思いました。いいきっかけになりました」。後輩が好タイムを出し、黙っている訳にもいかなかった。

 幌村とは大学の寮が同部屋で、「寝るのがめっちゃ早い。掃除終わった瞬間、午後10時ぐらいにはカーテン締めて寝ている。僕は同11〜12時ぐらいなんですが」。一方、マイペースの後輩は国際大会で好タイムを出して気持ちも乗っている。4連覇を狙う坂井との対決を前に、「先輩の坂井選手に勝ちたい」と宣言した。

 萩野、瀬戸が大学を卒業。今年の“インカレ”はこの2人のガチンコ勝負から目が離せない。坂井が狙う1分52秒台は08年北京五輪で松田丈志が1分52秒97をマークしたのが最後。銀メダリストは「先輩の意地を見せて、1回ぎゃふんと言わせたい」と気合十分。世界選手権の屈辱、後輩の突き上げ…。爆発する準備は整った。

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2017年8月31日のニュース