【小椋久美子の目】奥原は体格の先入観覆した 次世代へ道しるべ

[ 2017年8月29日 08:34 ]

バドミントン世界選手権 女子シングルス決勝   奥原2―1プサルラ ( 2017年8月27日    英国・グラスゴー )

女子シングルス決勝でインド選手を破り、優勝した奥原希望
Photo By 共同

 金を獲ったことも偉業ですが、あのハイレベルな試合を勝ちきったことが凄かった。奥原はリオ五輪の経験で、プサルラの角度のあるショットの怖さを分かっていたと思います。いい体勢で打たせないことが攻略の鍵でした。相手のショットの打点は第1ゲームの序盤は前方でしたが、途中から後方になりました。コートの奥行きや高さをうまく使い、相手の体勢を崩せていました。リオの時とは違い相手に主導権を握られませんでした。

 奥原は相手を動かしてゲームをつくる選手です。対角線や前後に動かして、相手の体力を奪っていきました。最後は気力の勝負でしたが、最終ゲームでプサルラが膝に手をついたり、転んでもすぐに起き上がってこない様子を見て、奥原ペースだと感じました。

 バドミントンはサイズやリーチのある選手の方が当然有利です。身長の低い日本人は特にシングルスでは世界で戦えないと考えられていました。奥原はその先入観を覆し、運動量や技術で戦えることを示してくれました。若い世代の道しるべになったと思います。 (08年北京五輪女子ダブルス代表)

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2017年8月29日のニュース