奥原 金で見えた“新境地” 最終ゲーム「楽しくなった」

[ 2017年8月29日 05:30 ]

バドミントン世界選手権 女子シングルス決勝   奥原2―1プサルラ ( 2017年8月27日    英国・グラスゴー )

バドミントンの世界選手権女子シングルスで優勝し笑顔の奥原希望
Photo By 共同

 女子シングルス決勝で、リオ五輪銅メダルの奥原希望(22=日本ユニシス)が、同五輪銀メダルのシンドゥ・プサルラ(22=インド)を2―1で破り、日本勢で初めて五輪、世界選手権の男女を通じてシングルスを制覇した。日本勢の世界選手権金メダルは77年第1回大会での女子ダブルスの栂野尾(とがのお)悦子、植野恵美子組以来、40年ぶりの快挙となった。

 驚異的な粘りだった。第1ゲームは8連続失点する苦しい序盤から立て直した。第2ゲームは最後に73回のラリーをものにできずに落としたものの、気持ちを切らさなかった。最終ゲームは17―19のピンチから巻き返した。準々決勝から3戦連続のフルゲームは1時間50分。足がつりそうになりながらも激闘を制した奥原は「どんなにリードされても我慢して焦らず、次の一球、と落ち着いてできた」と涙をこぼした。

 最終ゲームの途中からは新境地に達していた。「向こう側(の世界)に行ったのか、楽しくなってきた。もっとできるという気持ちが出てきたら、自分の方が余裕があると思えた」。相手の体力を削る厳しい配球を続け、最後もドロップショットでミスを誘った。

 昨年のリオ五輪の準決勝で完敗した宿敵を倒し、日本勢シングルス初の金メダル。しかし、奥原は「ここがゴールじゃない」と言い切った。「この3年でパワーアップして金メダルの確率を上げたい」と東京五輪を見据えた。

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2017年8月29日のニュース