NFLブラウンズの11選手が国歌斉唱時に膝をついて抗議 広がる黒人差別への無言の抵抗!

[ 2017年8月22日 15:09 ]

国歌斉唱の際、整列をせずに膝をついたブラウンズの選手たち (AP)
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 NFLは21日にオハイオ州クリーブランドでプレシーズンの1試合を行ったが、ホームチームでもあるブラウンズの11選手が国歌斉唱の際、膝をついて整列しなかった。

 “ニーダウン”したのはRBデューク・ジョンソンJR(23歳)、ジェイミー・コリンズ(27歳)、QBディショーン・カイザー(21歳)といったアフリカ系アメリカンの選手が中心。しかし白人でプリンストン大出身のTEセス・ディバルブ(24歳)もこの輪の中に加わっており、NFL選手による抵抗運動は人種に関係なく拡大する気配を見せている。

 この行動は警察官による黒人射殺事件が続いた昨年からBLM(BLACK LIVES MATTER=黒人の命も大切)というフレーズとともに顕著になり、49ersのQBコリン・キャパニック(29歳)らはシーズン通して試合前に無言の抵抗を続けていた。今月になって白人至上主義団体をめぐるトランプ大統領の対応が各地で批判を浴び、昨年とは違った要因でNFLにBLM運動が再燃している。

 自身もアフリカ系のブラウンズのヒュー・ジャクソン監督(51歳)は前週に「選手にはこのような形で抗議をしてほしくない」と語っていたが、この日は「選手の意思を尊重する」と態度を軟化。ブラウンズ側は「チームとしては国歌、国旗、そしてすべての兵士に敬意を表している。セレモニーには全員が参加することが重要。しかしそれと同時に、個人の表現の自由も尊重しなければならない」というコメントを発表した。

 なおキャパニックは自身が保持していたオプション契約を破棄して49ersを退団。しかしスーパーボウルで先発経験(2013年)があるにもかかわらず、依然としてどのチームとも契約を締結しておらず、現時点では“四面楚歌”のような状況に追い込まれている。

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2017年8月22日のニュース