ボミ 笑顔の復活V!“28歳最後の日”に280日ぶり歓喜

[ 2017年8月21日 05:30 ]

女子ゴルフツアー CATレディース最終日 ( 2017年8月20日    神奈川県箱根町 大箱根カントリークラブ=6704ヤード、パー73 )

CATレディース最終日 優勝トロフィーを手に笑顔を見せるイ・ボミ
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 “28歳最後の日”に280日ぶりの復活優勝を飾った。首位から出たイ・ボミ(29=韓国)は4バーディー、ボギーなしの69で回り、通算12アンダーで初日からの首位を守り完全優勝で大会2連覇を達成した。今季初勝利で昨年11月の伊藤園レディース以来280日ぶりのツアー21勝目となる。

 2メートルのウイニングパットを沈めたイ・ボミは歓声に応えて右手を上げた。29歳の誕生日前日に280日ぶりの復活優勝。表彰式で「久しぶりの優勝なので頭が真っ白。28歳最後の日に皆さんの前で良いプレーができた、この日を忘れない」と感慨深げに語った。でも涙はなかった。

 スタート前、清水重憲キャディー(43)と話し昨年の優勝スコア9アンダーを超えることを目標に定めた。いきなり3連続バーディーでスタートした大山らに序盤で首位を明け渡しても「私の目標は志保さん(大山)でもヒギョンでもなく去年のボミだから大丈夫」と焦りはなかった。

 ショットが好調でチャンスの連続だった。6番で残り140ヤードから8Iで2メートルに付けて初バーディー。7番は残り125ヤードからPWで1メートルへ、8番は残り150ヤードから7Iで2メートルへぴたり。9番は4メートルのパットを決めて、4連続バーディーで混戦から抜け出した。

 不振が続いた今季は気持ちも沈みがちだった。どん底は5月。リゾートトラスト・レディースでは宿舎に戻る車中で毎日号泣した。メンタルが上向くきっかけは2週前の北海道meijiカップ。予選落ちした夜にチームで焼き肉を食べ、ホテルのバーで酒を飲んだ。部屋にこもることが多いイ・ボミもダーツで遊ぶなどリラックスした。

 翌週プロアマ戦で樋口久子・日本女子プロゴルフ協会相談役(71)からスイングに関し助言を受けた。「71歳で私より真っすぐ行くし簡単にゴルフをしている。樋口さんのスイングをまねして“シンプル・イズ・ベスト”と頭に入れてやった」。悩みが消えた。

 今季から規約が改正され、単年登録者がツアーで優勝し理事会で承認されれば正会員となる。単年登録でプレーし続けてきたイ・ボミは「7年目でやっと正会員になれる。凄くストーリーのある選手ですね」と笑った。

 昨年は最終日が誕生日。28歳の一年は優勝で始まり優勝で終わった。「28歳最後の週なので、今週良い記憶が残れば今年前半のことは忘れられる」。最後まで晴れやかな笑顔だった。

 【勝者のクラブ】▼1W=ホンマTW727 455(ロフト角10・5度、シャフトの硬さR、長さ45・5インチ)▼3、5W=同TW737(15、18度)▼UT=同TW737(22、25度)▼6〜10I=同TW727Vn▼ウエッジ=同TW―W(48度)、タイトリスト・ボーケイSM5(51、57度)▼パター=オデッセイ・ホワイトライズiX♯1SH▼ボール=スリクソン・Zスター

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